2018年4月6日(金)
キング牧師暗殺から50年
人種差別根絶訴える
米各地で行進 大統領批判も
|
【ワシントン=池田晋】黒人の公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺から50年を迎えた4日、同氏をしのび、人種差別の根絶を求める行動が米各地で行われました。首都ワシントンでは、宗教家や市民らがキング牧師記念碑の前から行進。米メディアによると、同氏が暗殺されたテネシー州メンフィスでは約1万人が行進したほか、出身地のアトランタなどでもデモが取り組まれました。
首都ワシントンのデモは、キリスト教会全国協議会などが呼び掛けたもの。参加者らは「人種差別を終わらせるため団結しよう」「人種差別は罪だ」などと書いたカードを手に、見頃を迎えた桜の木の下を沈黙したまま行進しました。キング牧師が人種問題に加え、経済格差や平和の問題にも取り組んだことから、軍国主義や核兵器に反対するカードを掲げた参加者もみられました。
その後開かれた集会で、バーバラ・ウィリアムズスキナー牧師は「白人至上主義者が新たな地盤を獲得しつつある」と警鐘を鳴らしました。
黒人男性のロイ・ベティスさん(62)は「(暗殺から)50年たってレストランには自由に入れるし、トイレも白人と分離されてはいない。象徴的な状況はなくなったが、隠れた差別はある」と指摘。「人々が公然と不信や憎悪を表現し、国が間違った方向に進もうとしている」と参加した理由を語りました。
ニューヨーク州から参加したジャスパー・マコーミックさん(73)はトランプ大統領が「状況を何ら改善しようとしない」と批判。「多くの人が犠牲になって私たちはこんなに遠くまでたどり着いたが、まだ進むべき道は長い」と話しました。