2018年4月3日(火)
全公害患者の救済を
改正健康被害補償法が成立
参院環境委で武田氏が要求
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大気汚染認定患者への補償給付に充てる自動車重量税の一部交付を延長する改正公害健康被害補償法が、3月30日の参院本会議で全会一致の賛成で成立しました。武田良介議員は29日の参院環境委員会での同法改正案の質疑で、患者を最後の一人まで救済するよう要求しました。
武田議員は、同案が重量税からの交付を「当分の間」延長するとしているのは、最後の一人まで救済するということかと質問。中川雅治環境相は「最後の患者さんまで救済する」と表明しました。
武田議員は、名古屋市と愛知県東海市で同法の区域指定解除後も大気汚染が環境基準を超えていた実態を示し、「よい薬ができても50メートル歩けば、しゃがみ込む。ぜんそくが治ることはない」という患者(82)の声などを紹介。身体的・精神的被害は続いていると訴えました。中川氏は「大変なご苦労をされておられると改めて感じた」と応じました。
武田氏は、東海市が疾病の原因は大気汚染だと「十分に推察され」るとして市独自の特定疾病患者医療費助成制度でぜんそく患者を救済し続けている一方で、原因が明確ではないとしてすべての患者を救済しない国を批判。すべての被害者が救済されるよう、国とメーカーの責任で新たな医療費制度を創設すべきだと主張しました。
公害健康被害補償法 大気汚染や水質汚濁が深刻な指定地域に一定期間在住または通勤して気管支ぜんそくなどにかかり、公害病患者と認定された人に対して医療費を支給し、失われた利益を補償するために1974年に施行された法律。補償を受けるためには都道府県知事等の認定を受ける必要があります。