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2018年4月1日(日)

主張

戦争法施行2年

日米軍事一体化の危険が加速

 安倍晋三政権が憲法の平和主義と立憲主義を破壊して強行した安保法制=戦争法が施行(2016年3月29日)されてから2年が経過しました。集団的自衛権の行使など米軍が海外で起こす戦争に自衛隊が参戦する道を開いた同法制の下、日米軍事一体化が、他国への攻撃も可能にする最新兵器導入の動きとともに加速しています。安倍政権による「海外で戦争する国」づくりをストップさせることがいよいよ急務になっています。

運用実態は全く「闇の中」

 防衛省は今年2月、安保法制に基づく自衛隊による米軍の「武器等防護」について、昨年1年間で、日米共同訓練中の米艦船と米軍機に対しそれぞれ1回ずつ行ったと発表しました。「米艦防護」も、「米軍機防護」も初の実施でした。

 安保法制は、自衛隊が自らの武器・弾薬や艦船・航空機などを警護する「武器等防護」任務の対象を米軍にも広げました。米艦船や米軍機などが攻撃された際、警護している自衛隊が「防護」のために武器を使用することが可能になりました。憲法違反の海外での武力行使に道を開く危険な仕組みの一つです。

 報道では、昨年5月に海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が米海軍の貨物弾薬補給艦に、昨年11月に航空自衛隊のF15戦闘機が米空軍のB1爆撃機に、日本周辺の太平洋上で「武器等防護」任務に就いたとされます。

 ところが、今年2月の防衛省の発表は、「武器等防護」を実施した日時や場所、対象になった米艦船と米軍機、警護した自衛艦や自衛隊機の種類など具体的な内容は一切明らかにしませんでした。

 昨年、米軍は北朝鮮に軍事的圧力を加えるため、原子力空母やB1爆撃機などを朝鮮半島周辺に展開させ、自衛隊との共同訓練も頻繁に繰り返していました。自衛隊は核兵器搭載可能なB52爆撃機との共同訓練も複数回行っています。それにもかかわらず、米軍に対する「武器等防護」任務の実施がなぜ計2回にとどまったのか、本当にそれだけなのか、一切不明で闇の中です。

 安保法制に基づいて海自補給艦が昨年4月から、日本海に展開する米イージス艦に複数回にわたり給油を行ったことも報じられていますが、防衛省は実施状況を公表していません。偶発的な事態や誤算によって万一、米朝間で軍事衝突が起これば、日本国民の知らないところで、自衛隊が戦闘状態に入ることにもなりかねません。

 一方、安倍政権は安保法制の下、「従来の延長線上ではない」(首相)軍事力の強化を進めています。空自の最新鋭ステルス戦闘機F35Aに搭載し、「敵基地攻撃」も可能な巡航ミサイル(射程500キロ)の導入経費が18年度予算に初めて盛り込まれたのはその典型です。

廃止の世論と運動大きく

 ヘリ搭載護衛艦「いずも」を空母に改修し、短距離離陸・垂直着陸ができるF35Bを導入することも狙っています。安保法制は戦闘への出撃を準備している米軍機への給油も可能にしており、米海兵隊が保有するF35Bが「いずも」を使用することも想定されます。

 違憲の安保法制を廃止し、自衛隊の海外での無制限の武力行使に道を開く安倍首相の9条改憲のたくらみを阻止する世論と運動を大きく広げていくことが必要です。


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