2018年3月31日(土)
核心部分削除で開示か
自衛隊内の内部文書 穀田氏暴露
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防衛省統合幕僚監部防衛計画部が2012年7月に作成した「日米の『動的防衛協力』について」と題する内部文書を、防衛省が改ざんした上で昨年に一部開示していた疑いが明らかになりました。日本共産党の穀田恵二議員は30日の衆院外務委員会で、15年の予算委員会で示した同文書の原本と比較すると、公開された文書にはページの削除欠落があると暴露しました。
「取扱厳重注意」と付された同文書は、「中国脅威」を前面に出し、名護市辺野古の新基地を含むキャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなど沖縄の米軍基地を陸上自衛隊が共同で恒常的に使用する計画が示されています。予算委員会で追及後、同文書を資料要求した穀田氏に対し防衛省は「対外的に明らかにした文書ではない。その真贋(しんがん)を含め文書について答えることは差し控える」として、提出を拒否していました。
ところが、昨年5月5日に同名文書の情報公開請求があり、防衛省が昨年7月10日と9月8日に開示していたことが明らかになりました。穀田氏は「国会を愚弄(ぐろう)した対応だ」と厳しく批判。「提出を拒否した文書があったのは大問題だ」と指摘しました。
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さらに穀田氏は、開示された文書からは、▽日米の「動的防衛協力」に関する「検討状況」や「日米間協議」などの「今後の予定」を記したページ▽沖縄における自衛隊と米軍の「共同使用」や「共同訓練」を行う具体的な施設や訓練名が列挙されたページ―がなくなっていると指摘。「意図的に削除したのか」とただしました。
山本朋広防衛副大臣は「開示を拒否した事実はない」と否定。穀田氏が示した文書については、引き続き出所不明の文書だとして「真贋や位置づけについて答えるのは困難」と回答を避けました。
穀田氏は、学校法人「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題に言及し、「防衛省でも改ざんを行った疑いがある。徹底調査すべきだ」と迫りました。
削除された記述
防衛省が開示した文書で削除された「共同使用」や「共同訓練」を記したページには、▽キャンプシュワブ、ハンセンへの陸自1個連隊の配備▽米海兵隊の伊江島補助飛行場での上陸・降下訓練▽北部訓練場での対ゲリラ戦訓練▽嘉手納弾薬庫地区に陸海空共通の兵たん部隊を配備―などが示されています。27日に発足した陸自水陸機動団の1個連隊を沖縄に配備する構想など、一連の動きのベースになっている可能性が濃厚です。