2018年3月27日(火)
石炭火発の見直しを
インドネシア援助 井上議員質問
参院ODA特別委
井上哲士議員は22日の参院ODA特別委員会で、地元住民が反対運動を起こしているインドネシア西ジャワ州の石炭火力発電所計画が日本政府のODA(政府開発援助)で進められている問題で、援助の見直しを求めました。
外務省とJICA(国際協力機構)は同計画の基本設計などに約5億円を貸し付け。インドネシア電力公社の要請があれば本体工事の援助も検討します。地元住民は「環境が汚染される」「農地収用や漁場制限で生計が失われる」として建設に反対しています。
井上氏は、同事業は社会的合意の確保や関係者の参加を定めたJICAの「環境社会配慮ガイドライン」に適合しないと指摘。「反対派住民が不当逮捕されるなどの人権侵害も起きている」と、JICAの認識をただしました。
JICAの江島真也理事は「警察の関与は承知している。インドネシア側に懸念は伝えている」としながら、「ガイドラインに従っているかは、本体工事の援助を行う時に検討する」と答えました。
井上氏は、地元裁判所が昨年12月に「環境アセスメントが不十分だった」との住民側の訴えを認めて環境許認可を取り消した後も、日本政府が貸し付けを実行していることを批判。「状況は契約時点と大きく変わっている」とし、貸し付け中止を要求しました。