2018年3月24日(土)
米政権 知的財産権で中国に貿易制裁
鉄鋼は日本含め追加関税発動
【ワシントン=遠藤誠二】トランプ大統領は22日、中国の知的財産権侵害を理由に、最大600億ドル(約6兆3000億円)相当の同国製品に25%の関税を課す貿易制裁を決定しました。同措置は、米通商法301条に基づくもの。国際経済秩序を壊す「米国第一主義」です。
トランプ大統領は署名にあたり、「世界中のどの国においても、これまでの歴史のなかで米国は最大の貿易赤字を抱えている」と同措置に踏み切った理由を説明。同時に「(中国は)友人であり、習国家主席を大いに尊敬しており、良好な関係をもっている」などとのべました。
今後、米通商代表部(USTR)が15日以内に制裁品目を発表します。ハイテク製品が中心になると伝えられます。
発動までに60日間の期間をおき、その間、政権関係者が各業界の意見を聴取します。
一方、米国は米東部時間23日未明(日本時間同日午後)から鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の追加関税適用を開始しました。鉄鋼とアルミの輸入制限は安全保障上の脅威に対抗する通商拡大法232条に基づく措置。
USTRのライトハイザー代表は22日の上院財政委員会で、当面、適用を除外する対象がカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジルと韓国の7カ国・地域になると表明。日本は「(除外対象リストに)入っていない」と明言しました。
通商代表は「適切な時期に自由貿易協定(FTA)交渉を始めたいと日本に伝えている」としており、さらに圧力をかける姿勢を示しています。