2018年3月10日(土)
各地で国際女性デー
差別撤廃・暴力撲滅を
スペイン 初の女性全国スト
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【マドリード=島田峰隆】「国際女性デー」の8日、スペインでは男性との賃金格差をはじめとする女性差別の撤廃、セクハラや女性に対する暴力の撲滅などを求めて、女性たちが一斉に労働や家事をやめる「女性のストライキ」が行われました。全国紙パイスによると、首都マドリードのほか、全国200カ所で男性も参加して300の集会やデモ行進が実施されました。
スペインのさまざまな女性団体でつくる「3月8日委員会」が行動を呼び掛け、準備してきました。ストのスローガンは「女性がいなければ世界は止まる」です。「女性のストライキ」が行われるのはスペイン史上初めてとされます。
同国の二大労組、「労働者委員会」(CCOO)と「労働総同盟」(UGT)が支援し、両労組は2時間のストを実施。CCOOによると、全国で590万人がストに参加しました。いくつかの労組は24時間ストに取り組みました。
マドリード市内は朝から、女性への暴力根絶を訴えるシンボルカラーの紫色のマフラーやリボンを身につけたり、風船を持ったりした女性らであふれました。夕方からは大通りを埋め尽くしてデモ行進し、「女性は恐れずたたかう」「団結した女性は決して負けない」と声を上げました。
マドリード市内の博物館で働くノエリア・ロメロさん(34)は「私の職場の労働者は全員女性です。女性は社会で不可欠な役割を果たしているのに、賃金は男性より低い。妊娠や出産を機に不当な扱いをされることもあります。政府に対策を取らせるために私も声を上げようと参加しました」と語りました。
欧州連合(EU)によると、スペインの女性労働者は、男性と同じ内容の仕事をしても、公共部門で約13%、民間部門で約19%も賃金が低くなっています。労組の調査では、不安定雇用の一つである短期雇用契約を結ばされている労働者の約7割は女性です。