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2018年3月9日(金)

「ニュース女子」 人権侵害

BPO委 東京MXに勧告

 BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会(坂井眞委員長)は8日、沖縄の基地反対運動をゆがめて報じた東京MXテレビの「ニュース女子」(2017年1月2日、9日放送)に対し「人権侵害がある」と断じ、委員会決定の放送や再発防止策を講じるよう同局に「勧告」しました。番組放送後、人権団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(シン・スゴ)氏が「名誉を毀損(きそん)された」と訴える申立書を同委員会に提出。審理が行われてきました。

 勧告書では、番組が「(辛氏は)過激で犯罪行為を繰り返す基地反対運動を職業的に行う『黒幕』である」「基地反対運動の参加者に5万円の日当を出している」などと放送した内容は、辛氏の「社会的評価を低下させた」と指摘。「MXによって事実の真実性は立証されておらず、申立人に対する名誉毀損の人権侵害が成立する」と判断しました。

 同番組は、制作会社「DHCシアター」(当時)が企画・制作した“持ち込み番組”です。勧告書では、辛氏本人への取材が行われていないことが明らかなのにもかかわらず、考査を通してしまったMX側を「責任体制の放棄といわざるを得ない」と厳しく批判。また、番組中の「朝鮮人はいるわ、中国人はいるわ」などのコメントも人種や民族への配慮を欠き、「放送倫理上の問題があった」とのべています。

 今回出された「勧告」は、委員会判断の中で最も重い内容です。「ニュース女子」については昨年12月14日、BPO放送倫理検証委員会でも「重大な放送倫理違反があった」とする意見書が出されています。


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