しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月3日(土)

異次元緩和を続行

黒田日銀総裁が再任案で所信

衆院議運委 塩川議員ただす

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(写真)塩川衆院議員

 衆院議院運営委員会は2日、国会同意人事案件のうち、政府が再任案を示した黒田東彦日銀総裁候補(現総裁)の所信を聴取し、各党が質疑を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員の質問に対し、黒田氏は、大規模な金融緩和による低金利が家計に与える悪影響を否定しませんでした。

 黒田氏は所信の中で量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)について「政府と連携して2%の物価目標実現の総仕上げを果たす」と述べ、大規模な金融緩和の継続を強調しました。

 塩川氏は「異次元緩和によって経済の好循環が生み出されるとしてきたが、円安・株高によって大企業や富裕層に巨額の利益をもたらしたものの、実質賃金はマイナスとなり、消費は落ち込んだ」と批判しました。黒田氏は「経済の好循環が始まっている」としつつ、「確かに賃金の上昇は鈍い」と認めました。

 塩川氏は、低金利が家計に与える影響について「日銀の試算でも、1991年を起点として比較すると、家計部門から企業部門に巨額の所得が移転している」とマイナス面をただしました。黒田氏は「15年前、20年前と比較すると負担は事実」と答えました。

 また、塩川氏は日銀のマイナス金利政策によって地域金融機関の収益が悪化し、金融仲介機能に悪影響を与えていることを指摘しました。

 塩川氏は「金融緩和によってつくられた低金利を背景に安倍政権は大型公共事業の促進や後年度負担を含む軍事費の拡大で財政悪化のリスクを高めている」とし、「日銀が財政をファイナンス(政府の財政赤字の穴埋め)しているとみられても仕方がない」と批判しました。


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