2018年3月2日(金)
流出仮想通貨NEM 日本に
交換業者に10億円超す送金
仮想通貨交換業者コインチェックから不正アクセスによって流出したとされる仮想通貨NEM(ネム)5億2300万枚のうち、2月末までに少なくとも2400万枚以上が、日本の大手仮想通貨交換業者「Zaif(ザイフ)」に送金されていることが、本紙の調べで判明しました。
送金されたネムの総額は、現在の相場(1枚42円程度)で計算して10億円以上にもなります。送金回数も1000回近くにのぼります。本紙はこの点について2月中に回答するようザイフを運営するテックビューロ株式会社に文書で問い合わせましたが、現在まで回答はありません。
テックビューロは金融庁に登録された仮想通貨交換業者であり、登録の要件として顧客の身元確認を義務づけられています。同社が捜査当局に情報を提供すれば、犯人の正体を解明する助けになる可能性があります。このルートからの捜査も重要となっています。
また、テックビューロの代表取締役を務める朝山貴生氏は、仮想通貨ネムのシステムを運営するネム財団の理事も務めています。
朝山氏は2月1日の記者会見で、盗品ネムの流出先について「追跡はできています」と述べた上で、「(犯人のアドレスから送金が来たら)触れないで置いてほしい」と利用者に呼びかけています。自らのところに送金されてきたネムにどう対応したのか、明らかにする責任があります。(関連記事)
NEM(ネム) 2015年3月に創設された仮想通貨。シンガポールにあるネム財団がシステムを運営。流通総量は約90億枚です。ビットコインと違って扱う業者が少なく、日本ではコインチェックとザイフしかありません。