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戦後、わが国の政府は、どんな無法で道理がないものであろうと、アメリカの戦争を無条件に支持する立場にしがみついてきました。その危険性は、いまイラク情勢の深刻さが浮き彫りにしています。ところが、安倍・自公政権は、ブッシュ米政権の要請に応じて、イラクへの自衛隊派兵をさらに継続しようとしています。
さらに、「二十一世紀の地球規模での協力のための新しい日米同盟」(06年6月の日米首脳会談の共同文書)などとして、日米軍事同盟を地球規模に拡大・強化し、侵略的に変質させる動きがいっそう加速しています。安倍首相は1月、日本の首相として初めてNATO(北大西洋条約機構)本部で演説し、「日本とNATOはグローバルな課題の解決に向けた責任感を共有している」、「いまや日本人は国際的な平和と安定のためであれば、自衛隊が海外での活動を行なうことをためらいません」と強調しました。5月の日米安全保障委員会(2プラス2)の合意文書は、NATOと日米同盟の「共通戦略目標」が「一致し、かつ補完的」であるとして、より広範な協力を明記するなど、NATOとの協力が具体化されようとしています。
日本共産党は、イラクからのすみやかな撤兵を求めるとともに、日米軍事同盟を地球規模に拡大・強化することに強く反対します。
世界的な「米軍再編」の動きにあわせて、米軍と自衛隊が一体になって世界のどこでも出撃できる軍事態勢をつくろうとしていることも重大です。自衛隊の海外派兵を「本来任務」にし、中央即応集団や中央即応連隊、中央情報隊の創設など、組織と制度の改変がすすめられ、海外派兵恒久法のたくらみも、この流れのなかに位置づけられたものです。イラク戦争のような、アメリカの無法な先制攻撃の戦争に日本を参戦させる仕組みづくりを許すわけにはいきません。
「ミサイル防衛」やヘリ空母の導入などの軍拡計画は、アメリカの先制攻撃戦略、軍事介入態勢に日本をいっそう深く組み込み、強化するもので、世界とアジアの平和と安定を脅かすものにほかなりません。アメリカに追従した「海外派兵国家」の道を歩みつづければ、日本がアメリカといっしょになって世界の平和に挑戦することになり、世界とアジアから孤立するばかりです。
日本共産党は、憲法9条を守る立場から、「海外派兵国家」の仕組みづくりをやめさせ、有事法制・海外派兵法の発動を阻止するために、広範な国民のみなさんと共同を広げることに力をつくします。国際社会で批判が高まっている無差別殺傷兵器であるクラスター爆弾の全面禁止も含め、抜本的な軍縮を実現するために全力をあげます。
沖縄をはじめ日本全土に米軍基地がおかれ、戦後62年たったいま、いっそうの強化と苦痛が押しつけられている現実は、とても独立国とはいえない異常きわまるものです。沖縄県民を震撼させた04年の大学への米軍ヘリ墜落事件以後も、戦闘機の墜落、米兵による殺人、強盗・ひき逃げなど、米軍の事件・事故が相次いでいます。米軍による事件・事故は、毎年約2千件も発生しており、政府が明らかにしているだけでも1952年以来、06年末までに、20万4500件(施政権返還以前の沖縄の分は含まれていない)におよび、被害にあった日本人死亡者は1080人に達しています。
また、無法な空母艦載機などによるNLP(夜間離着陸訓練)や超低空飛行をはじめ、米軍機の騒音被害、航空機・艦船による油漏れなどの環境汚染が各地で住民のくらしと健康を脅かしています。沖縄では、県民の飲み水になっているダムから1万6千発の弾薬類が回収されるということまでおこっています。
日本共産党は、こうした米軍の横暴勝手をやめさせるために全力をあげます。米軍の事件・事故のたびに問題になる日米地位協定問題でも、自公政権は、国民の強い改定要求に背を向けて、「運用改善」にとどめています。日本共産党は、日米地位協定を抜本改定し、世界に例のない米軍優遇の特権をなくすために力をつくします。
米軍の勝手放題の活動を支え、米軍が日本に居座る根拠にもなっている「思いやり予算」(沖縄の基地たらい回しの「SACO経費」を含む)は、中小企業予算の1.5倍にまで膨張し、78年以来の29年間の総額は、5兆4810億円に達しています。安保条約上も何の義務もないものであり、ただちにやめさせるように要求します。
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