日本共産党

2007年参院選 個別・分野別政策/社会・教育・人権

【16】文化

芸術家・文化団体の切実な要求にこたえ、国民の文化活動を支援します

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 国民のあいだで広がる「貧困と格差」や働くルールの破壊が、芸術・文化の創造・表現・鑑賞活動を困難にしています。政府は、新自由主義にもとづく「構造改革」路線によって国立美術館・博物館や図書館、文化ホールを民間委託にしようとするなど、国の責任を放棄し、芸術・文化活動への助成に「競争」「効率」を持ち込もうとしています。文化を自由につくり楽しむのは国民の権利であり、それを保障するのは国・地方自治体の責務です。日本共産党は文化の自由を守り、多面的な発展を促すため、文化予算を拡充し、国民の文化活動の条件を広げ、芸術・文化団体の切実な要求にこたえます。

「官から民へ」の押しつけに反対し、芸術・文化活動の基盤整備をはかります

 国立美術館・博物館、国立劇場・新国立劇場の民間委託に反対し、国の施設にふさわしい充実をはかります。映画の国立フィルムセンターの人員を拡充し、国立美術館の付属施設から、国が責任をもつ独立した組織として発展させます。

 国民の身近な文化施設である文化ホールや図書館、美術館・博物館、文学館の民営化、民間委託の押しつけをやめさせ、公的支援を充実します。舞台技術者や司書、学芸員など専門家の身分を保障し、専門家として力量を発揮できるよう支援します。

 高松塚古墳壁画やキトラ古墳壁画の劣化が問題になっている現状をふまえ、国指定の文化財保存状況を総点検し、対策をとるようにします。大型開発による文化財破壊を許さず、文化財と歴史的景観の保存をすすめます。文化各ジャンルの貴重な遺産の収集・保存を支援します。

助成金の改善・充実や条件整備をすすめ、芸術・文化活動の自由な発展をめざします

 現在の助成方式は芸術・文化団体の無理な自己負担を前提にしています。また、助成事業は国主体の事業の比重が増える傾向にあります。こうした方式を改善し、芸術・文化団体の自主的な文化活動への助成を拡充して、国民の享受の条件をひろげます。

 けいこ場や大小さまざまな表現空間、展示場所といった芸術家・文化団体の活動の条件を整備します。映画、演劇分野で国が責任をもつ公的な高等教育機関を設立・充実し、民間の養成機関の努力を応援します。

 アニメなどの「コンテンツ」制作の劣悪な労働条件や人材難などの障害をなくすため、専門家の権利を保障し、芸術・文化の発展が優先される支援を拡充します。芸術家の社会保障の確立をはかります。

 すべての子どもが少なくとも年1回は芸術・文化に接することができるように、文化団体、地域の活動を応援します。学校公演(鑑賞教室)のための支援を充実します。

 芸術家への不当な税制をあらため、寄付税制を充実するとともに、民間劇場や映画館の固定資産税の減免といった税制支援をすすめます。

 支援にあたって行政が介入しないように求め、芸術・文化活動の自由を守ります。

著作権制度の発展をはかります

 著作権は、表現の自由を守りながら権利者を守る制度として文化の発展に役立ってきました。デジタル化・ネットワーク化にともない芸術・文化の新たな利用形態が発展することは、国民の享受の条件が広がる点から歓迎すべきことで、それが適切な形で芸術・文化の担い手に還元されることが文化の発展にとって重要です。一般ユーザーだけの負担ではなく、著作物を利用することで利益を得るメーカーに応分の負担を求め、権利者の利益を守る方向で著作権制度の発展をはかります。

 映画スタッフや実演家の場合、著作権上の権利が十分に確立しておらず、そのうえ大企業や政府の都合で権利の縮小さえ狙われています。企業にすべて権利が移転してしまう現状を改め、映画監督・スタッフ・実演家の権利確立をめざします。

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