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能登半島地震の経験から、被災者の生活再建、地場産業をはじめとした地域社会の再建・復興に対する公的支援のあり方が改めて問われています。
同時に、どこで起きてもおかしくない地震災害や、台風・集中豪雨等の頻発による土砂崩れ・洪水災害の多発・甚大化など、災害に国民の生活が脅かされています。
政府・中央防災会議の専門調査会による極めて不十分な被害想定(04年12月)でさえ、「首都直下地震」が発生した場合、建物の約85万棟が全壊または焼失し、死者は約1万3千人に達するとしています。災害による被害を最小限に食い止め、生活や営業の再建を一刻も早く支援する制度を確立していくことが求められています。日本共産党は、能登半島地震をはじめ中越地震(2004年)や福岡県西方沖地震(2005年)の被災者、洪水被災者など、一刻も早い被災者の生活再建を全力で支援します。また、学校や住宅などの耐震診断・補強、事前の防災対策など、実効ある災害対策の強化をすすめます。
被災者の生活再建支援を目的とした現行の被災者生活再建支援法は、阪神・淡路大震災被災者に対する公的支援実現を求める世論と運動のなかで成立しました。その後、住居対策として全壊家屋の解体・撤去や家賃補助などが追加されてきました。ところが、支援の対象となる被災者や経費の範囲が極めて狭く制限され、支給限度額が低く抑えられているため、限られた被災者しか支援されないばかりか、再建にはほど遠いというのが実態です。
日本共産党は、国の責任で被災者の最低限の生活基盤回復をおこない、すべての被災者の自立(再建)を支援することを目的とした被災者生活再建支援法の改正案(「くらし復興支援立法案」)を提案しています。(1)当面の生活の維持への支援とともに、住まいの再建を支援対象とし、支給額を引き上げる、(2)地域経済とコミュニティの担い手である中小商工業者の事業の再建や商店街の復興も支援対象とする、(3)三宅島噴火災害のような長期の避難生活という事態も支援対象とする、(4)被災者の自立にとって大きな障害となっている既存ローンの負担を軽減する、(5)従来の支援策を見直すきっかけとなり、現に支援が求められている阪神・淡路大震災被災者をはじめ、この間に発生した災害被災者に対しても支援措置を講じる──などを柱にした被災者支援の改善をめざします。
08年予定されている現行の被災者生活再建支援法の見直しに向けて、年収要件の見直しや被災住宅の改修・建て替えなど実効ある支援制度とするため全力をつくします。
一方、被災住宅の応急修理や障害物の除去など、被災したなかで救助を必要とするすべての被災者を対象に一刻も早い救助を実施するなど、災害救助法の運用については、被災の状況に見合った全面的な活用を追求します。
地震による被害を最小限にくい止めるうえで、学校などの公共施設や緊急輸送路沿いの住宅などだけでなく、病院や大規模集客施設をはじめ宅地を含めたすべての住宅の耐震診断と耐震補強を計画的にすすめることが不可欠です。そのために、設置者・開発者のとりくみを促すとともに国による支援措置を強めます。
大都市では「再開発」の名による超高層ビルの建設ラッシュですが、土木学会と日本建築学会は巨大地震に伴うゆっくりした揺れ(長周期地震動)で超高層ビルが損傷を受ける可能性があると指摘しています。一方、地方では経済の落ち込みや高齢化から、山間地の集落の維持が困難になり、防災の面でも対応が困難になっています。
まちづくりそのものを、開発優先から、防災を重視した住民参加型に転換します。開発や土地利用の変更にあたって、災害に対してどのような影響があるかを事前にチェックする防災アセスメントを導入します。森林の荒廃が大量の流木をひきおこし、被害を増幅しています。
間伐や風倒木撤去の徹底、作業用林道の回復措置など、国土保全をすすめます。
災害危険個所の点検を急ぎ、堤防などの点検・補修、がけ崩れ対策や老朽化したため池の補修などを急ぎます。
消防職員など、国が示した「消防力の基準」を満たしていない自治体が少なくありません。消防職員の増員や消防水利の整備など、消防力の強化をはかります。住民の声を取り入れ、地域防災計画の見直しをはかります。ボランティアを含めた住民の知恵と力を取り入れることにより地域の防災力を引き上げ、高齢者や障害者など支援を必要とする住民を含めた地域の防災対策を強化します。
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