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架空請求や、高齢者・障害者をねらった悪質商法が横行し、多重債務者が増加するなど深刻な消費者の被害が拡大しています。家電製品による事故をはじめ、消費者の安全・安心もおびやかされています。この背景には、政府は「規制緩和」をすすめるなかで、従来の事前チェックによる「事前」規制をやめて、問題が起きてからの対処に重点を置いた「事後」規制へ切りかえてきたことがあります。しかも、その事後規制も、「消費者の自己責任」を強調することで結局、事業者への規制や消費者の救済に実効ある対策をとらないままです。日本共産党は、国、地方自治体、企業の責任で、事前の規制も事後の規制もきちんと実施させて実効ある措置をめざし、安全・安心をはじめとした「消費者の権利」を確立します。
食品の安全対策を強化する……BSE問題や不二家の期限切れ原料使用問題、遺伝子組み換え食品をはじめ、食の安全・安心をおびやかす事態があとを絶ちません。輸入食品の検査を強化し、総合衛生管理製造過程(ハサップ)制度の是正や、子ども・妊婦・病弱者への影響を最大限配慮した安全基準の設定など、食品衛生法を拡充します。
牛肉輸入では牛海綿状脳症(BSE)対策として、全頭検査、危険部位である脊髄など神経組織の完全な除去、トレーサビリティが不可欠です。政府が求めた条件でさえ違反を繰り返す米国産牛肉は、輸入すべきではありません。
消費生活用品や建造物・遊具などの安全確保……ガス瞬間湯沸かし器、シュレッダーをはじめ日常生活用品による死傷事故、エレベーター、プール、ジェットコースターなどの設備による事故や建物の耐震強度の偽装、原発のトラブル隠しなどが相次いでいます。消費者の安全よりも企業利益が優先された結果です。消費生活用製品安全法が改正されましたが、行政と企業の責任で、安全基準のいっそうの厳格化、「ひやり」・「はっと」情報もふくめた事故情報の一元的な収集・公開、事故分析体制の充実をはかります。リコール制度の拡充、被害救済の充実、社告の改善などをすすめ、虚偽報告・リコール隠しなどの悪質な不正行為を防止するため、行政の監督を強めます。
製造物責任法(PL法)の抜本的改善……製造物責任法ができて8年になりますが、製品事故は頻発し、欠陥製品による被害者の救済は十分にすすんでいません。製造物責任法での企業責任を追及しやすくするために、欠陥や因果関係の推定規定の導入、企業側による立証責任、リコール隠しをするような悪質企業には懲罰的賠償を命じるなどの改善をおこないます。
消費者契約法の抜本的拡充……各地の消費者センターや国民生活センターによせられる相談件数は128万件(2005年度)にのぼり、その8割以上が「契約・解約」に関するものです。内容を見ると、事業者の手口の悪質化がすすんでいます。事業者の情報提供義務の明記、「適合性の原則」(消費者の知識・経験・財産の状況を事業者が配慮する)の導入、契約取り消し期間の延期、誤認して結んだ契約の取り消し範囲の拡大など、消費者契約法の改正を求めます。
消費者団体訴訟制度の改善……消費者や専門家の努力で消費者団体訴訟制度が6月から施行されました。積極的な活用とともに、今後、消費者契約法だけではなく景表法や特定商取引法をはじめとした消費者関連法への拡大、不当な事業者利得を吐き出させる制度の導入、受け皿団体への財政的援助などを強めていく必要があります。
NPOへの支援の強化……NPOの自主的な活動は、国民生活を豊かにする上でも、社会全体の発展のためにも積極的な意義をもっています。NPOの自主性を尊重し、行政との対等・平等の関係を保ちつつ、活動資金の助成や活動に必要な施設・設備の提供などの支援を強めます。また、税制の優遇措置をうけやすくするための改善をおこないます。
相談体制の抜本的な拡充……消費者からの相談が増えているにもかかわらず、各地の消費者センターでは人員が増えず、国民生活センターへの政府の交付金も減らされています。相談に対応できるように人員の配置をおこなうため、予算の増額を求めます。情報提供や相談助言活動を強化し、商品検査業務の強化・拡充、紛争処理権限の付与などで、消費者行政の強化をはかります。
学校での消費者教育の充実……消費者の権利を、社会的なルールとして徹底するためには、学校での体系的な消費者教育が不可欠です。公的機関による消費者教育の充実だけでなく、社会教育活動として、地域の住民や団体を対象にした、自主的な消費者教育運動への支援を強化するよう要求します。
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