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2025年1月27日(月)

きょうの潮流

 腕に彫られた番号。「これでおまえたちは汚い番号でしかなくなった。名前なんか自分で覚えてるだけになるだろうよ」。人間としての尊厳をふみにじられ、死におびえる日々…▼母や兄弟姉妹、婚約者。次々と殺されていくなかでひとり生き残った女性の回顧録は、人間の非道さとともに平和や自由への強い思いが込められています(『アウシュヴィッツの地獄に生きて』)▼130万のユダヤ人らが収容され、110万の人びとが犠牲となったナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所。生き延びることができたのは200人にも満たないと。その「殺人工場」が解放されてから、きょうで80年です▼国連総会は1月27日を「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」に指定。憎悪や偏見、人種差別の危険性を警告することを目的としました。当時の潘基文(パン・ギムン)事務総長は「憎悪との闘いは国連の基本的な任務の一つ」だと▼いままた、イスラエルによるガザ大量虐殺やロシアのウクライナ侵略、分断や排斥を助長するトランプ米政権の誕生と、憎しみや恐怖が再び世界を。その中でも、虐殺を許すな、戦争反対の声がわき上がっています▼ジャーナリスト・大内田わこさんの取材でホロコースト生還者ヘレナ・ニヴィンスカさんが本紙に語ったことがあります。「差別や憎しみから生まれるのは破滅だけです。私たちはあれだけの犠牲を払ったのですから、今、そこから学ばなければと思うのです。人類よ、目覚めてほしいと、何度でも言いたい」


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