2025年1月16日(木)
きょうの潮流
「やっぱりポジティブ一択」―映画「悪鬼のウイルス」(24日公開)の完成披露上映会で、主演を務めたタレントの村重杏奈さんの言葉です▼2021年12月にアイドルグループを卒業。アイドル時代はセンターに立った人気メンバーの引き立て役だった彼女も、今はテレビで見ない日はないほどの人気者に。上映会では映画の主演としてセンターに立ちます。「ポジティブでいれば何とかなるという精神でやってきた」と村重さん▼映画では都市伝説で語られる村へ調査に向かい、惨劇に見舞われる主人公を演じています。「人生をサバイブしまくってきた」という村重さんらしく、劇中では数々の鬼に襲われます▼村重さんは母がロシア人で、6歳までロシアで暮らしていました。22年に始まったロシアによるウクライナ侵略で、アイドルを卒業したばかりの彼女にも誹謗(ひぼう)中傷が集まりました。彼女は日本テレビの報道番組で、「生まれ育った国が毎日戦争しているのをニュースで見てとても胸が苦しい。どんなことがあっても戦争はぜったいにしてはいけないことだ」と語りました▼村重さんがポジティブになり得ない悲しい状況でも、バラエティー番組では視聴者に涙を隠して笑顔を振りまいてきたのでしょう。「ポジティブ一択」はネガティブな出来事の裏返しでもあります▼倒しても倒してもよみがえる鬼たちは、さながら国会の少数与党のよう。彼女たち次世代が本心からポジティブに生きられる社会にしたい。そのためにも鬼退治を。