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2024年9月19日(木)

きょうの潮流

 「戦術核兵器が使われる真の危険があると考えた瞬間が2022年秋にあった」。米中央情報局(CIA)のバーンズ長官がそう明かしました。7日にロンドンで開かれたイベントでの発言。ウクライナ戦争でロシアが核使用に踏み込む可能性を語ったものです▼22年秋に起きていた危機―。内幕の一端を米紙ニューヨーク・タイムズが報じています(今年3月)。それによると傍受されたロシア軍の通信の中で核兵器に関するやりとりが頻繁になり、戦場での爆発について軍最高幹部が協議している通信もあったといいます▼当時CIAは、戦争の推移によっては核使用の可能性が「50%かそれ以上」に高まると分析しました。同紙は「報復のエスカレーションに火がつくと止めるのは困難」と指摘。100発の核が使われただけで2700万人が即死、2年以内に2億5500万人が餓死する可能性があるという研究結果を示し、「限定核戦争でも破局を招きかねない」と警告します▼当時国連のグテレス事務総長は「人類は一つの誤解一つの判断ミスで核により壊滅する瀬戸際に立っている」「運は戦略ではない」と強調しました(22年8月)▼今も続く核保有国による核威嚇。グテレス氏は今年8月の広島と長崎での式典にあいさつを寄せ、「核兵器の脅威をなくす唯一の道は核兵器の完全な廃絶」と訴えました▼核兵器禁止条約への参加どころか改憲を競い合う自民党総裁選。軍事対軍事に走り、平和をつくる構想なき政治に未来はありません。


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