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2024年9月16日(月)

きょうの潮流

 住みやすさや幸福度ランキングで上位に入るスウェーデン。この国は「社会的共通資本」としての社会保障制度を充実させてきたといいます▼それは何か。中部学院大人間福祉学部の福地潮人教授によると、すべての人びとに豊かなくらしを実現するものや仕組みのこと。具体的には自然環境や社会的インフラ、教育や医療、司法や行政といった制度資本に分けられます▼たとえば、スウェーデンの年金をみると、63歳から受給可能で平均の受給月額は21万円超。しかも低所得者や十分な保険料を払えなかった人も毎月最大16万円を超す保証年金がもらえるそうです(月刊『ゆたかなくらし』6月号)▼物価上昇を上回る年金額の引き上げと公的年金の制度改善を―。今年7月、全日本年金者組合が厚労省に要請しました。実質年金が引き下げられる一方、社会保障費の相次ぐ引き上げで月額10万円に満たない低年金受給者は2288万人余にも及んでいる。とくに女性の低年金者の状況は深刻だと▼スウェーデンには国民運動の団体が多くあり、政府や地方自治体の政策に意見を表明する文化があるといいます。高齢者分野でも三つの大きな団体があり、政府や社会が無視できないほどの発言力をもつと▼きょうは敬老の日です。人生の先輩を敬い長寿を祝う、安心して老後を送れる社会をどうつくるか。日本の政府は高齢者の医療費負担をさらに拡大しようと狙っています。声をあげ、運動する。社会保障の先進国は、その大切さを示しています。


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