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2024年9月16日(月)

「政治とカネ」巡り国会議員・秘書ら

自公政権復帰後 摘発20件

通年行事のよう 異常な事態

 「政治とカネ」を巡り、自民党国会議員ら与党関係者が、近年、相次いで東京地検特捜部に摘発されています。21世紀に入ってからで見ると、第2次安倍晋三政権下で、摘発数が増加。自公政権の12年間で与党議員の起訴が通年行事のようになった異常な事態です。(三浦誠)


 検察を長年取材してきたジャーナリストは、ここ数年に特捜部が相次いで国会議員らを摘発していることについて、「かつてないことだ」と指摘します。

 2012年12月26日に第2次安倍政権が発足して以降、特捜部が摘発した与党国会議員、秘書らの事件は20件(表参照)。うち起訴された議員は自民党が14人、公明党が1人です。他方、01~12年の間に起訴された国会議員らの事件は11件でした。

 とくに安倍政権末期の20年からは毎年、議員が起訴されています。

 20年には安倍政権が進めてきたカジノを中核とする統合型リゾート(IR)を巡り特捜部が、秋元司元内閣府副大臣=一審、二審実刑判決=を収賄罪で起訴。同年には、河井克行元法相、妻の河井案里元参院議員=ともに有罪判決が確定=が、19年の参院選を巡る大規模買収事件で起訴されています。

 菅義偉政権発足後の20年12月には、安倍元首相の政治団体が主催した「桜を見る会」前夜祭の開催費用を政治資金収支報告書に記載していなかったとして、公設第1秘書が政治資金規正法違反罪で略式起訴に。この事件の発端は「しんぶん赤旗」日曜版のスクープでした。

 日曜版スクープを巡っては、今年に入ってから、自民党派閥の裏金事件がらみで議員4人、安倍派、岸田派、二階俊博元幹事長の事務方など8人が起訴されています。しかも裏金事件はいまだ真相解明されていません。

 安倍元首相ら自民主要派閥というトップの金権腐敗体質が、政権復帰後の12年間で党全体にまん延した―そんな形です。

 「政治とカネ」の事件が増えたことについて上脇博之神戸学院大学教授は、「自民党はカネを使わないと当選できなくなってきている」として、こう指摘します。「格差社会が広がるなかで自民党についていっても“得”がなくなってきた。自民党員も減っている。自民党が退潮するなかでも選挙で勝ってきたのは、買収で逮捕された河井元法相夫妻のようにカネの力が大きい」

第2次安倍政権発足後に東京地検特捜部が摘発した与党関係者の事件
2013年12月 徳田毅(衆)親族 公選法違反
2015年4月 小渕優子(衆)元秘書 政治資金規正法違反
2020年1月 秋元司(衆) 収賄
7月 河井克行(衆)、河井案里(参) 公選法違反
12月 安倍晋三(衆)秘書 政治資金規正法違反
2021年1月 吉川貴盛(衆) 収賄
6月 菅原一秀(衆) 公選法違反
12月 遠山清彦(衆、公明) 貸金業法違反
2022年12月 薗浦健太郎(衆) 政治資金規正法違反
2023年9月 秋本真利(衆) 受託収賄
2024年1月 柿沢未途(衆) 公選法違反
1月 池田佳隆(衆) 政治資金規正法違反
1月 谷川弥一(衆) 政治資金規正法違反
1月 大野泰正(参) 政治資金規正法違反
1月 二階俊博(衆)秘書 政治資金規正法違反
1月 安倍派会計責任者 政治資金規正法違反
1月 二階派会計責任者 政治資金規正法違反
1月 岸田派元会計責任者 政治資金規正法違反
8月 堀井学(衆) 公選法違反、政治資金規正法違反
8月 広瀬めぐみ(参) 詐欺
*遠山氏以外は自民所属だった議員(年月は起訴時)

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