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2024年9月15日(日)

安保破棄中央実行委員会結成60周年記念の集い

田村委員長のあいさつ(要旨)

 日本共産党の田村智子委員長が、14日の安保破棄中央実行委員会結成60周年記念の集いで行ったあいさつの要旨は次の通りです。


写真

(写真)あいさつする田村智子委員長=14日、東京都文京区

 安保破棄中央実行委員会結成60周年にあたり、心からのお祝いと連帯のあいさつを送ります。

 総選挙が早ければ10月にもあるといわれるなか、アメリカいいなり、軍事一辺倒の政治をもとから変える日本共産党の躍進を勝ち取る決意を表明します。

 2014年の集団的自衛権行使容認の閣議決定、15年の安保法制の強行、そして22年12月「安保3文書」の閣議決定によって、歴代自民党政権が憲法9条にもとづく「平和国家」のあり方としてきたものが、次々と投げ捨てられ、「戦争国家づくり」が加速しています。敵基地攻撃能力保有をはじめとする大軍拡、次期戦闘機の共同開発と第三国への輸出解禁、自衛隊を米軍の指揮・統制下に深く組み込み、日米一体で敵基地攻撃能力を運用する体制づくり、アメリカの核抑止を日米一体で協議することまで始まっています。

 重大なのは、「戦争国家づくり」の危険性を暴き、国政の場で断固として立ち向かっている政党が日本共産党だけだということです。日米同盟の絶対視、アメリカ中心のブロック強化が安全保障だという思考停止を指摘しなければなりません。

 暴走政治の根本にある安保条約の廃棄という統一戦線への結集を広く国民によびかける時です。安保破棄実行委員会出番の情勢です。

緊急課題で運動

 国民的な運動として、一つは基地強化反対、核兵器禁止条約への参加、安保法制の廃止など、緊急の課題での国民的な運動をよびかけます。

 とくに在日米軍専用基地の7割が集中する沖縄でのたたかいに連帯を強めましょう。沖縄の米軍辺野古新基地建設は、民意も地方自治も踏みにじり、国による「代執行」で大浦湾の軟弱地盤改良工事が強行されています。しかし、軟弱地盤の大浦湾に巨大基地建設は不可能です。

 「追い詰められているのは自公政権だ。辺野古新基地建設中止、普天間基地撤去をただちに」と、本土からも声を大きく広げようではありませんか。

 南西諸島への長射程ミサイル配備、日米共同訓練の強化など「軍事要塞(ようさい)化」の企てに、「沖縄を二度と戦場にするな」「基地のない平和で豊かな沖縄を」と声をあげましょう。

平和外交広げる

 二つ目に、平和外交を求める連帯を国内外に広げていきましょう。

 自民党などが中国の脅威をあおるもとで、「軍拡は仕方ないのでは」と思わされている人も少なくありません。軍事対軍事のエスカレーションの危険性を知らせるとともに、平和外交という対案を広く知らせ、国内外の市民社会と連帯して平和外交を求める世論と運動をつくることが大切になっています。

 日本共産党は4月、戦争の心配のない東アジアをつくろうと、「東アジア平和提言」を発表しました。東南アジアを紛争から平和と協力の地域へと変えたASEAN(東南アジア諸国連合)から学んだ「提言」は、国内外で歓迎されています。

 私たちがASEANから学んだことの一つが、外交に勝者・敗者はない、粘り強い対話でコンセンサスを得るという外交努力です。ここに憲法9条にもとづく平和外交のやりがいがあるのではないでしょうか。

 今、欧州外交にも取り組んでいます。ロシアのウクライナ侵略戦争により、日本よりも激しく軍事ブロック強化が進んでいるのが欧州です。欧州各国の左翼政党との交流、ドイツで行われた国際会議で、私たちの「提言」は注目され、困難ななかでNATO(北大西洋条約機構)強化に反対する勢力との連帯を築くものとなっています。軍事ブロック強化と世界の分断の固定化に反対する動きがあることを大いに知らせ、日本と世界で平和外交を求める連帯を広げていく決意です。

安保条約破棄を

 三つ目に、日米安保条約を廃棄して、対等・平等・友好の日米関係をつくろうという運動そのものを広げる時です。

 在日米軍が海外への殴り込み部隊であること、ベトナム戦争、アフガン戦争、イラク戦争の拠点となったこと、在日米軍の規模は、世界の米軍基地のなかで第1位、その資産価値も第1位、そしてアメリカは基地使用料を払う必要もなく日本政府から「思いやり予算」を受けている。これらの事実はまだまだ知られていません。

 今、自民党は、裏金事件の真相究明も言わない、暮らしや経済の行き詰まりを打開する展望も示せない、何より戦争の心配のない日本と東アジアの姿を示すことができません。この行き詰まりを大きく打開する展望、新しい日本への希望が求められる時代が始まっていると思います。

 核兵器のない世界、軍事同盟もない日本と世界、この希望ある未来を開くために、みなさんとともに全力で奮闘する決意です。


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