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2024年9月14日(土)

被害者救済法 急げ

強制不妊 原告、和解へ国と合意

弁護団 第三者含めた検証要望

 旧優生保護法(1948~96年)下で強制された不妊手術をめぐる訴訟で、同法と強制不妊手術は違憲だとする最高裁判決を受け、優生保護法被害全国原告団・弁護団と国は13日、こども家庭庁での調印式で、和解に向けた合意書に調印しました。被害者本人に最大1500万円、配偶者に200万円の慰謝料を支払うなどとするものです。


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(写真)係属訴訟の和解等のための合意書に署名した原告・弁護団(奥側)と謝罪する加藤鮎子こども政策担当相(右から2人目)ら=13日、東京都千代田区

 調印式で、原告団共同代表の飯塚淳子さん(活動名)は「27年間求めてきたことが実現します」と話しました。一方で「しかし私たちの心は晴れません。謝罪や賠償をされても優生手術によって狂わされた人生は戻ってきません。みんな手術前の体に戻してほしいと思っている。声を上げられない被害者が全国にたくさんいます」と涙ながらに強調。「私たちにも障害のない人と同じように当たり前に生きる権利がある。差別がない社会を実現してください」と語りました。

 全国弁護団共同代表の新里宏二弁護士は、合意書の調印に至ったことを「感謝する」としつつ、国による賠償が遅れたことについて「猛省を促したい」と指摘。被害者は高齢だとして「早期に救済法をつくってほしい」と求めました。悲劇を二度と繰り返さないために、「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」など第三者を含めた検証を要望しました。

 こども家庭庁によると、係属中の訴訟は10件。順次、和解が成立する見通しです。

 調印式では、加藤鮎子こども政策担当相が謝罪の言葉を述べました。


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