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2024年6月20日(木)

選択的夫婦別姓早く

党首討論 田村委員長の発言

 日本共産党の田村智子委員長と岸田文雄首相が19日に行った党首討論でのやりとりは次の通りです。

田村 女性が個人の尊厳を傷つけられ、不利益を被っている。事実を認めるか

首相 女性に不利益が生じていることは重く受け止める

写真

(写真)党首討論で岸田文雄首相(右)に質問する田村智子委員長(左)=19日、衆院第1委員室

 田村 10日、経団連が、夫、妻、おのおのが希望すれば、生まれ持った姓を、戸籍上の姓として名乗り続けることのできる制度、つまり選択的夫婦別姓の早期実現を求める要望書を政府に提出するに至りました。要望書では、アイデンティティーの喪失、あるいは不都合や不利益が女性に偏っているという女性の人権の問題とともに、通称使用によってトラブルが起きている。企業にとって、ビジネス上のリスクだということも指摘されています。

 これらは長年にわたる女性たちの訴えそのものであり、ジェンダー平等を求めるムーブメントがついに経済界を動かしたことに心からの敬意を表したいと思います。個人の尊厳、法の下の平等、婚姻の自由、夫婦同等の権利、日本国憲法で女性の人権が認められて77年ですね。

 ところが夫婦の95%で女性が名前を変えている。その中には、同姓の強制によって女性が名前を変えることが当たり前にされているために、違和感を口にすることができないまま名前を変えた女性も多くいます。そして、アイデンティティーの喪失、キャリアの断絶、名称変更の煩雑な手続き、海外では通称は使えないなどの不利益を圧倒的に女性が引き受けている。これが日本の現実です。

 総理にお聞きします。同姓か別姓かを選択できない、同姓を強制されることによって、女性が個人の尊厳を傷つけられている。不利益を被っている。これが事実だという認識がありますか。世論調査とか、さまざまな意見とか、そういうことじゃない。あなたの認識でお答えください。

 首相 ご指摘の経団連の提案は重く受け止めたいと思います。そしてその提案の中にもあったと記憶しておりますが、女性の方を中心に大きな不利益が生じている、こういったご指摘がありました。

 預金口座の開設ですとか、不動産登記ですとか、海外におけるこのダブルネームによって疑いを得てしまう、こういった不利益があるということについては重く受け止めております。私もそういった事実があるということは強く認識しております。

 ただ、ビジネスの面だけではなくして、この問題についてはさまざまな角度から議論する必要がある。だからこそ世論調査が割れているということを申し上げております。

 今言った点について認識はしておりますが、それ以外の方面からも角度からもこの問題について議論を深めていく必要を今まだ感じております。

田村 「家族の一体感にかかわる」問題との捉え方自体が特定の価値観の押し付け

首相 さまざまな価値観、立場の方々が影響を感じ、意見を言っている

田村 選択的夫婦別姓実現の合理的理由はあるが、阻む合理的理由は何もない

 田村 一昨日のテレビ中継のあった国会質疑の場では、そのさまざまな理由の中で、「家族の一体感」、こういうことを言われました。

 しかし、既に事実婚の家族というのは、何百万と存在しています。家族の一体感とか、あるいは子どもの利益ってこともおっしゃいました。子どもの幸せに関わることもそれぞれの家族の営みに関わることです。

 この選択的夫婦別姓についての議論の中で、家族の一体感に関わる問題ということを指摘される。そういう捉え方をすること自体が、私は特定の価値観の押し付けに他ならないと思う。いかがですか。

 首相 ご指摘の選択的夫婦別氏制度ですが、これは国民生活、そして多くの国民に幅広く影響するものであります。この一定の価値観に基づいて判断しているのではないかというご指摘でありますが、そんなことは決してありません。

 だからこそ再三申し上げております。国民の世論調査を見ても、今の同姓を維持するという答えに27%。今の同姓を維持した上で、別称の制度を法制化するべきであるという意見が42%、そして夫婦別氏制度を実行するべきだというのが28%。世論調査でもわかれているのは、今おっしゃったように、さまざまなこの価値観、さまざまな立場の方々がこの問題について影響を感じ意見を言っている。こういったことであるからだと思っております。

 田村 事実としてあるのは、女性の個人の尊厳が傷つけられているということです。選択的夫婦別姓の早期実現を求める合理的な理由はたくさんある。しかし、それを阻む具体的で合理的な理由は何もない。一刻も早く法案の審議を国会で行うべきだと求めて討論を終わります。


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