2024年6月20日(木)
改定政治資金規正法
山下議員の反対討論(要旨)
参院本会議
日本共産党の山下芳生議員が19日の参院本会議で行った、改定政治資金規正法に対する反対討論の要旨は次の通りです。
今国会に課せられた重要な責務は、自民党裏金事件の真相を徹底解明し、再発防止の抜本改革を実現することです。ところが自民党には真相を解明する気がありません。
政治倫理審査会では、衆院で申し立てられた44人、参院で規程17条に基づき出席と説明を求められた29人の自民党議員は誰一人応じていません。加えて東京地裁での安倍派会計責任者だった松本淳一郎被告の証言で、安倍派幹部議員の弁明が偽りだった疑いが強まっています。審査会のやり直しが必要ではないでしょうか。
自民案は、肝心要の企業・団体献金の禁止がすっぽり抜け落ちています。自民党裏金事件の原資は政治資金パーティーの収入であり、その大半は企業・団体が購入しているのが実態です。パーティー券購入を含めた企業・団体献金を全面禁止することこそ再発防止の決定打となります。
企業・団体献金は本質的に賄賂性を持っており、政府の政策に影響を与えている例は枚挙にいとまがありません。目先の利益を追い求める企業・団体からの献金は、いまやこの国の未来、地球の未来と相いれないものとなっていることを政治に携わる者は直視すべきです。企業・団体献金を聖域とする自民案は、国民の期待を裏切り、願いに背を向けるものであり、断じて認められません。
政策活動費を合法化し温存することも重大な改悪です。歴代自民党幹事長が受け取り、使途を明らかにしてこなかった政策活動費は法律に規定も定義もない脱法行為に他なりません。これを法律に書き込んでお墨付きを与えるのが自民案です。
使途の公開は10年後。党の役職者でなくても国会議員・候補者であれば政党から支出を受けて、10年間使途を明らかにせずに使えるようにすることで政治資金の非公開を拡大します。10年後の公開では有権者が前回投票した政党、政治家について適切に判断して投票することができなくなることも極めて重大な改悪です。
政治資金収支報告書の「要旨」の作成・公表義務規定の削除は、国民の不断の監視を大きく後退させます。収支報告書そのものは3年経過すれば削除され、要旨が公表されなくなれば政治資金の実態を過去にさかのぼって確認できなくなります。自民党が過去の汚職事件を追及されにくくする仕組みをつくるのは、まさに火事場泥棒です。