2024年6月19日(水)
立法事実なく廃案に
地方自治法改定案 伊藤議員が指摘
参院総務委
日本共産党の伊藤岳議員は18日の参院総務委員会で、国による地方自治体への「指示権」を導入する地方自治法改定案には立法事実(法律の根拠となる事実)がないと指摘し、廃案を求めました。
政府は個別法で想定されていない事態の対応のために「指示権」行使の法改定が必要としていますが、総務省は個別法には362件の指示の規定があるとしています。
伊藤氏は「規定が整備されているならば個別法で対応できる。もし特定の事態が生じれば、個別法を改正すればいい」と指摘。地方自治法改定により国の強力な関与をすべきではないと強調し、事態対処法で定められている武力攻撃事態への対応に「指示権」行使を除外していないことを批判しました。
さらに伊藤氏は、個別法の指示の規定で何が可能で何が課題かを把握したのかと追及。総務省の山野謙自治行政局長は「どのような場合に指示が設けられているか確認している」と述べるだけ。伊藤氏は「そもそも立法事実が成りたたない」と批判しました。
伊藤氏は、改定案に対し、東京・世田谷区の保坂展人区長が「自治体への国の特例関与を包括する一括法ではないか。全部含めて白紙委任するのは有事法制のつくりと一緒だ」と述べ、総務相を務めた片山善博元鳥取県知事が「必要性を全く感じない。立法事実がないから作る必要もない法律だ」と批判するなど、強い懸念の声が次々と広がっていると指摘。「地方の声を聞くべきだ」として改定案の廃案を求めました。