2024年6月19日(水)
規正法改定案 採決強行
企業・団体献金禁止せず 改悪も
参院政治改革特委
自民党が提出した政治資金規正法改定案の採決が18日の参院政治改革特別委員会で強行され、自民党、公明党の賛成で可決されました。自民案は企業・団体献金の禁止に一切触れず、政策活動費を合法化し、収支の公開を後退させる改悪です。日本共産党と立憲民主党、国民民主党などは反対しました。日本維新の会は衆院での賛成から一転し、反対しました。
反対討論に立った日本共産党の井上哲士議員は、「朝日」の世論調査で法案が再発防止に「効果ない」との回答が77%に上るとして「法案の成立は国民の政治不信を一層拡大するもので、断固反対だ」と述べました。(関連記事)
自民案の最大の問題は「政治改革の核心である企業・団体献金の禁止が抜け落ちていることだ」と強調。裏金の原資は政治資金パーティーという抜け道を使った企業・団体献金であり「本質的に賄賂性を持つ企業・団体献金は政治をゆがめ、国民の参政権を侵害している」と批判しました。
また、脱法行為である政策活動費を法定化する改定案だとして「使途を明らかにしない闇金を合法化するものだ」と指摘。政治資金収支報告書の要旨を削除する規定については「過去の政治とカネの問題を隠蔽(いんぺい)し、追及から逃れるもので認められない」と主張しました。
井上氏は、日本共産党が提出した「企業・団体献金全面禁止法案」と「政党助成法廃止法案」の実現を要求。しかし両案は採決に付されませんでした。
維新は、岸田文雄首相と合意した調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しをめぐり「約束がほごにされた」などとして岸田首相に対する問責決議案を提出しました。衆院では自民案に賛成し、改悪案を通す助け舟を出しながら、参院では反対するという無責任な対応をとりました。