2024年6月14日(金)
途上国支援 化石燃料の延命に
参院環境委 山下議員に参考人
参院環境委員会は6日、発展途上国への「脱炭素」支援による温室効果ガス削減分を自国の削減分にカウントできる「二国間クレジット(JCM)」の体制整備を行う地球温暖化対策推進法(温対法)改定案の参考人質疑を行い、日本共産党の山下芳生議員が質問しました。
東京大学の高村ゆかり教授は、世界の平均気温上昇を産業革命前から1・5度以内に抑える目標が達成できなければ、人類の存続が危ぶまれる状況になるとし「日本の国民の命と財産に大きくかかわる問題として対応する必要がある」と指摘しました。
世界自然保護基金(WWF)ジャパンの山岸尚之自然保護室長は、途上国での削減への貢献を、国内での削減分にカウントするのはやめ、別枠にすべきだと主張。「途上国が自分でできたかもしれない削減機会を持ってきてしまう可能性があり、問題がある」と述べました。
国際環境NGO「FoE Japan」の深草亜悠美事務局次長は「日本政府は化石燃料事業への国際的な融資を続けており、気候資金は少ない」と指摘。日本の支援には、水素やアンモニア、バイオマスを化石燃料と混焼することや、二酸化炭素(CO2)を海底などに貯留するCCSが含まれており「化石燃料の延命につながる」と指摘しました。