2024年6月12日(水)
食料増産「強制伴う」
供給困難事態法案 紙議員に政府
参院農水委
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日本共産党の紙智子議員は4日の参院農林水産委員会で、食料供給困難事態法案は強権性を持つ重大な法案だと明らかにしました。
紙氏は、世界的に穀物の需給が不安定化するなか、小麦、大豆、畜産用のエサなどの国内生産を増大させ、自給率を高めることが必要だと指摘。坂本哲志農水相は「国内生産の増大、自給率の向上はやっていかなければならない」と答えました。
農水省はこれらの品目が不足し、供給が困難になる事態には「困難兆候」「困難事態」「1日の摂取熱量が1900カロリーを下回る状況」の3段階あると説明しています。
紙氏は、各段階の判断基準を示すよう要求。農水省の杉中淳総括審議官は「(小麦、大豆などの)特定食料の供給の大幅な不足が発生する恐れがあって、価格高騰など実体的に影響が発生する可能性があるかどうか」で判断すると答えました。
紙氏は、ロシアのウクライナ侵略によって小麦が不足し国際価格が高騰したことは「兆候に入るのか」と質問。杉中総括審議官は「(ウクライナ侵略は)間接的に影響を受けた」と答えるにとどまりました。
兆候、事態の判断基準も政府の裁量に任されます。政府が勝手に事態と判断すれば、生産者に農作物の生産の増産や、作付け品目の転換も指示でき、従わなければ罰則を科すこともできます。紙氏は指示には強制力を伴うのかと質問。杉中総括審議官は「強制力を伴うものだ」と答えました。