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2024年6月7日(金)

営業の自由侵害は明白

食料困難対策法案 紙氏に参考人

参院農水委

 参院農林水産委員会は6日、輸入途絶など不測の事態に際し農業者への増産指示や罰則規定を設ける食料供給困難事態対策法案など3法案の参考人質疑を行いました。

 日本共産党の紙智子議員は「そもそもこの法律を発動しなくてすむように、平時から増産対策を打つことが先決だ」と指摘。国内での生産目標や自給率目標を決め、その達成に真剣に取り組むことが必要だと強調しました。

 法案は食料不足の「兆候」が起きたら農家に増産を要請し、「困難事態」とされれば要請から罰則を伴う指示に切り替わるものだと指摘。「生産者に作付けや増産、生産転換を強要するのは、憲法22条の職業選択の自由、営業の自由に制限をかけるのではないか」と参考人に提起しました。

 近畿大学の池上甲一名誉教授は「営業の自由を侵害するのは明白だ」と発言。東京大学の谷口信和名誉教授は、最大の問題は農業者が普段からいかに尊敬されるかだと強調し、「その雰囲気が国の中にないところで、いくら『やれ』と言ってもやってもらえない」と答えました。

 紙氏はさらに、食料備蓄について「考え直す必要がある」と指摘し質問。資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表は、現状のコメ備蓄は多い時で2カ月分、大豆、トウモロコシ、小麦は1カ月分程度だと指摘し、「これはやはり少なすぎる。数カ月分くらいが安心できる水準だ」と述べました。


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