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2024年6月5日(水)

小学生の基地見学も

子ども食堂自衛隊勧誘 紙議員が追及

参院農水委

写真

(写真)質問する紙智子議員=4日、参院農水委

 貧困対策のみならず、食育の取り組みとしても注目される子ども食堂で、自衛隊札幌地方本部(札幌地本)が「広報活動」として中学生や保護者を勧誘していた問題が明らかになっています。4日の参院農林水産委員会で日本共産党の紙智子議員は、子ども食堂の利用者に陸上自衛隊の基地を見学させていた新事実を追及しました。

 紙議員は、札幌市内の子ども食堂を利用する小学生が「体験学習」として自衛隊基地を見学したとの情報があると指摘。防衛省の青木健至・政策立案総括審議官は「1月11日に子ども食堂の職員を含む6人が陸上自衛隊東千歳駐屯地(北海道千歳市)で史料館や施設の見学、車両の体験搭乗などをした」と説明しました。

 札幌地本の広報官は昨年9月ごろ、市内にある約80カ所の子ども食堂にメールを送信し、中学生以上の子どもと保護者を対象に「自衛隊で勤務するための紹介パンフレット」を渡したいと依頼。了承が得られた約10カ所の子ども食堂に陸海空自衛隊の広報パンフレットと職種別の採用に関する募集パンフレットを持参し、ペーパークラフトなどの広報グッズも届けました。

 防衛事務次官が2003年に出した通達では、中学生に対する募集広報は「保護者」または「学校の進路指導担当者」を通じて行うと定めています。

 「通達違反ではないか」との紙議員の質問に、青木審議官は事実関係を認めた上で「事前に子ども食堂の関係者に相談させていただいた。問題があるとは認識していない」と答弁。この関係者は保護者や進路指導担当者ではありませんが「自衛隊や自衛官について幅広く知ってもらうことが目的で、特定の中学生に対する直接の募集には当たらない」と言い逃れました。

 紙議員は「メールの文面には『お渡しさせてもらえないか』と書かれている」と指摘。「15歳未満の者を自国の軍隊に採用することを差し控える」とした子どもの権利条約の規定に違反する疑いがあり、「自衛隊の勧誘の場に使うことは、子ども食堂の目的にも合わない」と強く抗議して中止を求めました。


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