2024年6月5日(水)
建築主事の体制強化を
地方分権一括法案 高橋議員ただす
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地方分権一括法改定案が5月30日の衆院地域・こども・デジタル特別委員会で、自民、公明、立民、維新などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
同案は自治体の業務に関連する9法案をまとめて改定するもの。このうち建築基準法の改定は、これまで地方公共団体の建築主事が行ってきた国などの建築物の建築確認検査業務(建築基準の適合審査)を民間の指定確認検査機関も行えるようします。
日本共産党の高橋千鶴子議員は、民間建築物の建築確認業務の一部民間機関への開放(1998年)以降、民間機関による建築確認の割合は93%に増えたと指摘。大手ゼネコンなどがこぞって出資する民間の指定確認検査機関が安さと速さを競い合う中で、2005年の耐震強度偽装事件が発生したのではないかとただしました。
石橋林太郎国土交通政務官は、複層的な審査の義務付けなど「法改正で対応してきた」と答弁。民間開放後も許認可や違反の是正などは行政にしかできないと認めました。
高橋氏は耐震偽装の調査報告書で、建築主事が建築事業者に比べ経験や技術が優位だったが、その後逆転し「審査の形骸化の誘因となった」との指摘があるとして、安全確保に公的責任を果たすため、「建築主事の増員や、能力や経験を積めるようにすべきだ」と強く求めました。
また、母子保健法の改定では、里帰り出産の際、住民票のある自治体と出産先の情報を共有するとしています。高橋氏は、里帰り先で迅速に支援が受けられることは「必要だ」としつつ、国が原則とした母子健康保険手帳の電子化は義務ではないと認めさせた上で、本人同意もなく、個人情報の母子保健データが蓄積されることには「重大な懸念がある」と述べました。