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2024年6月5日(水)

就労環境一層の悪化

倉林氏 外国人派遣労働拡大を批判

参院法務・厚労委

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(写真)質問する倉林明子議員=4日、参院法務・厚労連合審査会

 日本共産党の倉林明子議員は4日の参院法務・厚生労働両委員会の連合審査会で、農業・漁業分野に派遣労働の仕組みを導入する入管法・技能実習法改定案について質問し、「派遣会社も参入可能になり、労働搾取の強化は許されない」と追及しました。

 現行法は「特定技能」の在留資格を得た外国人のみ派遣対象でしたが、改定案は技能実習に代わる「育成就労」にも拡大。倉林氏は改定案で派遣を認めれば「手数料が上乗せされ、賃金の低下、一層の就労環境の悪化を招く」と指摘し、派遣事業の実態をただしました。

 出入国在留管理庁の丸山秀治次長は、派遣を認めている特定技能取得機関は農業26、漁業1に上り、派遣されている特定技能外国人は1679人だと答弁。平均収入の統計はないと答えました。倉林氏は「まともに実態をつかんでおらず、派遣の拡大で就労環境の悪化につながりかねない。立法事実がどこにあるのか」と批判しました。

 倉林氏は、農業分野は外国人労働者の賃金が最も低く、すでに6月は長野でレタスの収穫、7月は北海道でバレイショの収穫などの派遣事業が行われていると指摘。「方言も地域も違う所を転々とさせれば『失踪者』を増やしかねない。気候変動で計画通りに働けない場合、賃金不払い、休業補償放棄のリスクがある」と批判しました。

 倉林氏は、派遣の対象拡大に対する法的歯止めについて追及。武見敬三厚生労働相は「要件により判断する」と述べるのみ。倉林氏は「省令で決められる内容であり、歯止めはない。これを突破口にしてはならない」と厳しく批判し、日本でともに生き、ともに働く人として尊厳が守られる制度への抜本的転換を求めました。


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