2024年6月1日(土)
浮島丸事件の乗船者名簿
政府「約70点保有」
衆院外務委で穀田氏に答弁
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厚生労働省は31日、強制連行された朝鮮人労働者らを乗せた旧日本海軍輸送船「浮島丸」が1945年8月24日、京都府の舞鶴港で爆発、沈没し500人以上が死亡した「浮島丸事件」を巡り、乗船者が記された名簿を、現時点で約70点保有していることを確認したと明らかにしました。衆院外務委員会での日本共産党の穀田恵二議員への答弁。
事件の真相究明や謝罪、補償を求めた国家賠償請求訴訟(92年)では、原告である遺族らが「乗船名簿や名簿に類する資料」の開示を求めましたが、日本政府は「存在は確認されていない」と説明してきました。
穀田氏の資料要求に、厚労省は情報公開で請求開示した(1)青森県の大湊海軍施設部の「乗船名簿」(2429人分、45年8月24日)(2)大湊海軍施設部第4部隊長の「船乗者名簿の件報告」(333人分、同19日)(3)日本通運社大湊支店の「浮島丸乗船朝鮮人名簿」(144人分、同22日)の3点を提出。氏名や生年月日、職種、本籍地、徴用年次などは隠されています。
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穀田氏は、浮島丸事件について「名簿」と名の付く文書が他にあるかと質問。宮崎政久厚労副大臣は「現時点で70ぐらいある」と明らかにしました。
穀田氏は、開示された名簿について「原告に対し、なぜ見当たらないと説明してきたのか」と追及。宮崎氏は「乗船を予定している人が記載された名簿であり、乗船者名簿ではない」と弁解しました。
また穀田氏は、これまで政府が、韓国政府からの要請を受けて朝鮮人徴用者の名簿を引き渡した前例があると指摘。韓国政府から要請があれば、今回開示した名簿も提供するのかとただすと、上川陽子外相は「両国間でのやりとりは承知している」と答えました。穀田氏は「遺族は乗船者名簿を望んでおり、提供するのが筋だ。名簿を明らかにすることは犠牲者に対する最低限の礼儀だ」と主張しました。
浮島丸事件 朝鮮半島から日本に強制連行された朝鮮人労働者らを乗せた旧日本海軍輸送船「浮島丸」が終戦直後の1945年8月22日、青森県の大湊港から韓国の釜山に向けて出航し、同24日、京都府の舞鶴港で爆発、沈没し500人以上が死亡した事件。日本人乗組員を含む約4千人が乗っていたとされますが、正確な乗船者数や犠牲者数は不明。沈没の原因も機雷の爆発だとされていますが、真相は不明です。