2024年5月30日(木)
次期戦闘機共同開発条約承認案
山添議員の質問(要旨)
参院本会議
日本共産党の山添拓議員が29日の参院本会議で行った次期戦闘機共同開発条約の承認案に対する質問の要旨は次の通りです。
本条約のモデルとされたのは「北大西洋条約機構(NATO)ユーロファイター・トーネード管理機関(NETMA)」です。しかし、日本はNATOの一員ではありません。なぜNETMAと同様の組織をつくるのですか。
次期戦闘機に関する共同首脳声明は、抑止力の強化を強調しています。一方、英国は2003年のイラク戦争に参戦するなど戦闘行為を繰り返してきました。英国が中東地域で平和と安定を壊してきた事実をどう認識していますか。英国との共同開発が日本の抑止力向上といえるのですか。
22年12月、政府と与党が次期戦闘機の共同開発を決めた時点では、日本から第三国輸出は行わない前提だったといいます。英国やイタリアが輸出に関心を有していることは、NETMAの実績からも当然予想されます。むしろ当初から輸出を前提に協議に入っていたのではありませんか。
次期戦闘機開発にこれまでいくら支出し、安保3文書の5年間でいくらと見込みますか。開発費の総額に上限は設けますか。利益を確保するには売りさばくしかないとばかりに突き進むつもりですか。
輸出の対象は「次期戦闘機に限る」と言いますが、最新鋭の戦闘機が輸出可能なら、艦船や弾薬などあらゆる殺傷兵器も輸出できて当然と考えているのではありませんか。
「現に戦闘が行われていると判断される国」へ輸出しないと言うが、政府は「米国内において、武力紛争の一環として現に戦闘が行われているとは認識していない」と答弁しています。国外で侵略していても、国内で戦闘が行われていなければ現に戦闘中ではないということですか。基準が定かでなく、恣意(しい)的判断ができるのではありませんか。
外相は武器輸出の原則について「国連憲章を順守するとの平和国家としての理念を堅持していく」と述べましたが、日本の平和主義は国連憲章のみならず憲法9条に立脚するものです。
政府は、武器輸出禁止を非核三原則と並ぶ「国是」だと繰り返し答弁してきました。戦闘機の輸出まで解禁するのは、「国是」としてきた武器禁輸を骨抜きにするもので、到底許されません。
軍事分野でこそ政治とカネの闇が問われます。防衛相の政治資金団体や所属する派閥の政治資金パーティーで、軍需産業にいくらパーティー券を買ってもらっていますか。
戦闘機の輸出解禁は憲法9条に基づく平和国家としての日本を逸脱するので、容認できません。武器を売り歩き利益を増やす、武器輸出大国へ突き進むことは許されません。