2024年5月30日(木)
自給率向上「投げ捨て」
改定農基法成立 紙議員が反対討論
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改定食料・農業・農村基本法が29日の参院本会議で、自民、公明、維新の賛成で可決、成立しました。日本共産党、立民、国民は反対しました。
日本共産党の紙智子議員は反対討論で、法案が「食料自給率の目標」を「食料安全保障の確保に関する事項」に書き換え、「最重要課題の食料自給率の向上を投げ捨てた」と厳しく批判。そのうえで「食料と農業の危機を抜本的に打開するには、食料自給率の向上を国政の柱に据え、危機打開にふさわしく農林水産予算を思い切って増額することだ」と主張しました。
紙氏は、「食料自給率は38%に低迷し、目標はこれまで一度も達成されていない」と指摘。「自民党政権のもとで、TPP、日米貿易協定、日EU・EPAなど、歯止めなき輸入自由化が進み、安い農産物の大量輸入が続いてきた」とし、法案は自由化路線を改めるどころか、「安定的な輸入を図る」などと書き込んでいると述べ、「国内生産の土台を掘り崩す」と批判しました。
また紙氏は、全国各地で「農業で生活できない」「担い手がいない」という声が広がっていると強調。「生産者に対する直接支払いをかたくなに拒否し、農家の苦境を放置するなら、農業・農村の崩壊を招く」と述べ、「政府の責任で、所得補償・価格保障を行い、再生産を支える仕組みが必要だ」と主張しました。
同改定法の成立強行に対し、農民運動全国連合会(農民連)は同日、抗議声明を発表。全国食健連が議員会館内で開いた「シンポジウム」では「満身の怒りを込めて抗議する」などの発言が相次ぎました。