2024年5月29日(水)
国民生活脅かす悪法 次々委員会可決
地方自治法改定案 衆院委
国の恣意的判断強要 宮本岳志議員が告発
政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば地方自治体に対して指示ができる「指示権」を新たに導入する地方自治法改定案が28日の衆院総務委員会で、食料自給率の向上を投げ出す食料・農業・農村基本法改定案が同日の参院農林水産委員会で相次いで採決され、可決しました。日本共産党はいずれも反対しました。
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地方自治法改定案は修正のうえ、自民、公明、維新、国民などの賛成多数で可決しました。日本共産党は原案と修正案に、立憲民主党は原案に反対しました。(関連記事)
日本共産党の宮本岳志議員は反対討論で「改定案による『指示権』は、国による強制的関与が基本的に認められない自治事務にまで国が強く関与する仕組みとなっている」と指摘。「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断する類型や基準も曖昧であり、「国の恣意(しい)的判断を可能とするもので極めて重大だ」と批判しました。
また、個別法で想定されない事態がおこったときに「指示」するとしながら、想定される「事態」や個別法との関係についての検討内容も示されていないと指摘し、「審議を終わらせることは許されない。断固反対し、廃案を求める」と主張しました。
改定案が、国による自治体職員の派遣のあっせんを可能とすることについては「国の指示に基づく業務遂行のために自治体職員までも駆り出すことを可能とするものだ」と批判。他の自治体または国と協力し、情報システム利用の最適化を図ることを自治体の努力義務としていることも、「自治体は国がつくる鋳型に収まる範囲の施策しか行えないことになり、地方自治を侵害しかねない」と批判しました。