2024年5月28日(火)
政治資金制度 ゆがみ
二つの抜け道 参考人が指摘
衆院特委
衆院政治改革特別委員会は27日、自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の参考人質疑を行い、日本共産党の塩川鉄也議員が質疑に立ちました。
平野貞夫元参院議員は意見陳述で「裏金事件の本質を理解し、究明しなければ本格的な立法体制はつくれない」「自民党による集団犯罪の疑いがある問題をうやむやにできない」と述べました。
東京大学の谷口将紀教授は、党幹部が問題となったリクルート事件と違い「(今回は)裏金が地方、選挙に流れている」と地方組織も含め党全体の問題であると指摘しました。
塩川氏は、金権腐敗事件を契機とした30年前の「政治改革」では、企業・団体による「政党支部への献金」と「政治資金パーティー券の購入」という二つの「抜け道」がつくられ企業・団体献金が温存されたと指摘。二つの「抜け道」をふさぐ必要があるのではないかと質問しました。
谷口氏は「この際、企業・団体献金を禁止しようという主張も理解できる」と述べた上で、複数人の企業幹部による個人献金などが実質的な企業・団体献金となる可能性も考えるべきだと強調。駿河台大学の成田憲彦名誉教授は「(二つの『抜け道』は)まさに日本の政治資金制度のゆがみだ」と指摘し、「寄付で企業献金を禁止するのなら、パーティー券購入と寄付(の扱い)を同じにしなければならない。パーティーの対価の支払いも企業は禁止にすべきだ」と主張しました。