2024年5月23日(木)
「日本版DBS」可決
高橋氏「子どもへの性暴力根絶を」
衆院特別委 全会一致で
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衆院地域・こども・デジタル特別委員会は22日、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する「日本版DBS」の創設を盛り込んだ「こども性暴力防止法案」を全会一致で可決しました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は質疑で、2019年の各国の性暴力の発生件数について、日本は人口10万人当たり5件、米国43・5件、英国256・6件だと指摘。「日本は少なく見えるが氷山の一角だ」と主張しました。
さらに、教員からの性暴力について、20年12月放送のNHK番組を取り上げ、被害者自ら取り組んだインターネット調査で、77・9%が最初に被害を受けた時、被害と「認識できなかった」、友達や他の教師に相談しても「まともにとりあってくれなかった」などの結果を紹介。「初動が大事だ。現状認識は同じか」とただしました。安江伸夫文部科学大臣政務官は「性暴力は断じて許されない姿勢で取り組む」と述べ、加藤鮎子こども政策担当相は「本法案の対象事業に該当しないものも含め、あらゆる子どもへの性暴力防止を図る」と答弁しました。
高橋氏は賛成討論で、「性暴力は、子どもの尊厳を深く傷つけ、人生に与える影響は計り知れず、決して許されない犯罪だ」と強調し、「性被害者や家族らの声に応え、日本版DBSの制度は待たれていた」と指摘。「イギリスなどの制度と比べ限定的で課題もあるが、本制度を始めることが最大の抑止効果となることを期待する」と述べました。
高橋氏は、子どもが相談しやすい体制づくり、個人情報の漏えいなどがないよう厳格な制度設計と運用を要求。また、手厚い人員体制と予算確保、包括的性教育を位置付けるべきだと主張しました。