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2024年5月22日(水)

国に「特権的指示権」

地方自治法改定案 参考人が批判

衆院総務委

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(写真)宮本議員の質問に答弁する白藤氏=21日、衆院総務委

 地方自治法改定案の参考人質疑が21日、衆院総務委員会で行われました。専修大学の白藤博行名誉教授は、曖昧な要件のもと国に「指示権」を授権するのは「白紙委任」であり、「憲法と地方自治法を理念的・構造的・機能的に破壊する」ものだと批判しました。

 政府は「個別法で想定されていない事態」の対応のために法改定が必要だとしています。日本共産党の宮本岳志議員は、地方制度調査会の議論でも「想定されない事態が法律でどう扱えるのか定義が難しい」とした意見が出ていると指摘。集団的自衛権行使の要件とされる「存立危機事態」に対処するための「事態対処法」で対応しきれない「想定外の事態」が起きた場合にも、国は「指示権」を得られるのかと質問しました。白藤氏は「当然(発動要件に)入ってくる」と答えました。

 宮本氏は「朝日」が社説(18日付)で「地方の危機感が見えぬ」と論じ、「もっと地方の声を聞く機会を求めてはどうか」と提案していると指摘。全国知事会会長の村井嘉浩宮城県知事は「地方の側からすると当然の主張だ」と答弁しました。

 宮本氏は、すでに政府が沖縄県では知事の権限を奪う「代執行」にまで踏み切り、米軍辺野古新基地建設を強行していると述べ、「今回の『指示権』の拡大で、国と自治体の対立はより深刻化するのではないか」と質問。参考人からは「国と自治体の長期にわたる法的紛争につながりかねない」(中央大学の礒崎初仁副学長)、「これまでも国は県知事が対話を求めても応じてこなかった。自治体との『協議』もないままに『特権的指示』が行使されることになる」(白藤氏)と相次いで懸念が示されました。(白藤氏の陳述要旨)


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