2024年5月18日(土)
共同親権 個人尊重に背
共産党反対 改定民法が成立
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離婚後も父母双方が子どもの親権者となる「共同親権」を導入する改定民法が17日の参院本会議で、自民、公明、立民、維新、国民などの賛成で可決・成立しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の山添拓議員は反対討論で「真摯(しんし)な合意がないのに親権の共同行使を強いれば、別居親による干渉、支配が復活、継続する手段となり、子の権利や福祉が損なわれる危険が否定できない」と批判しました。
また、日本産科婦人科学会など4学会が「共同親権」の導入で、生命・身体の保護に必要な医療の実施が「不可能」となったり「遅延」したりするとの懸念を示していると指摘。「親権者のいかなる同意が必要かの判断がつかず、医療機関が訴訟リスクを恐れ、医療行為を控える事態を招くことはあってはならない」と批判しました。
山添氏は、あるべき法改正のためには▽子どもを主体とした「親権」の再定義▽子どもの意見表明権の明記▽裁判官、調査官の大幅増員など家庭裁判所の体制強化―が不可欠だと強調。当事者間に合意のない「共同」の強制は「『個人の尊重』を最も大切な価値とする憲法との整合性が問われる」と批判し、追い詰められ、苦しんできた多くのDV(配偶者などからの暴力)や虐待被害者がつながり始め、「諦めるわけにはいかない」という声が全国で湧き起こっているとし、「『個人の尊重』に依拠した、あるべき家族法制への転換こそ求められる」と強調しました。(反対討論要旨)