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2024年5月17日(金)

安全・環境の重大な後退

水素・CCS法案可決 岩渕氏が批判

参院経産委

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(写真)反対討論に立つ岩渕友議員=16日、参院経産委

 水素等供給利用促進法案と二酸化炭素貯留(CCS)事業法案が16日の参院経済産業委員会で採決され、自民、公明、立民、維新、国民などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

 日本共産党の岩渕友議員は両法案について、▽世界の脱炭素の取り組みを妨害する▽石炭火力発電延命、原発推進に巨額の国費を投入する▽事業推進を最優先とし、安全規制を後退させる―として、「経済合理性の無い事業に税金をつぎ込み、電気代として転嫁することは許されない」と批判しました。

 岩渕氏は質疑で、環境に大きく負荷を与えるCCS事業は各国で環境影響評価の対象だが日本では対象外だと指摘。地震誘発・二酸化炭素(CO2)漏れのリスクもある中で安全性の担保がないと批判しました。

 政府はCO2貯留可能量は2022年で160億トンとしており、50年時点で年間1・2~2・4億トンの貯留が可能になるとしています。実現には年間240~480本の圧入井(地上から地中にCO2を送り込むための井戸)が必要です。

 岩渕氏は「費用は海域では圧入井1本あたり80億円かかると言われ、現実的とはいえない」と指摘。年間1・2~2・4億トンの貯留は現在の日本のCO2排出量の10~20%にあたり、「そこまでCCSに依存するのか」とただしました。斎藤健経産相は「CCSはカーボンニュートラル実現に向けて必要な手段だ」と強弁しました。

 岩渕氏は、水素価格差支援について具体的な予算措置の根拠が示されておらず、「どこまで膨らむかも分からず、国民負担になる懸念が拭えない」として、原発ゼロ・石炭火力発電の廃止期限を決め、省エネ・再エネに集中すべきだと主張しました。


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