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2024年5月17日(金)

法的虐待拡大あり得る

「共同親権」 山添氏の追及に法相

参院法務委

 日本共産党の山添拓議員は16日の参院法務委員会で、民法改定案は父母の合意がないのに裁判所が離婚後「共同親権」を強制しうるとし、「加害者が共同親権を求めるケースもあり、リーガルアビューズ(法的な虐待)が広がる懸念がある」と批判しました。

 山添氏は「共同親権」導入で「リーガルアビューズが離婚後まで広がるのではないか」と追及。小泉龍司法相は「そのリスクはある」と否定しませんでした。

 山添氏は「ちょっと待って共同親権プロジェクト」の調査結果を示し、別居・離婚経験者の58%(582人)が離婚後の虐待に遭い、そのうち子の面前でも虐待を経験した人が431人に上る深刻な実態を指摘。過去のDV(配偶者などからの暴力)や虐待の証拠が被害者の証言しかなければ「共同親権」になりかねないとして、当事者の「『平穏を手に入れたと思った被害者をまた崖から突き落とす』との声にどう応えるのか」と迫りました。

 小泉法相は「真剣に身に起きたことを話せば裁判所に通じる」と強弁。山添氏は「当事者の声に全然向き合っていない」と批判しました。

 さらに、娘の手術にあたり、面会禁止された父親の同意を求めなかったことは違法だとして、病院に慰謝料の支払いを命じた大津地裁判決について質問。「婚姻中別居の共同親権での裁判例だが、離婚後『共同親権』でも起こり得る」とただしました。厚生労働省の宮本直樹大臣官房審議官は同判決を「一般化はできない」と答弁。山添氏は「『共同親権』になれば訴訟リスクが格段に上がり、医療機関は訴訟を避けるために医療行為を控えざるを得ない。子が適時適切に治療を受ける機会を損なう事態があってはならない」と指摘しました。


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