2024年5月17日(金)
「共同親権」 DV・虐待被害者 置き去り
参院法務委 民法改定案を可決
共産党は反対
反対世論が急速に広がる中、離婚後も父母双方が子どもの親権者となる「共同親権」を導入する民法改定案が16日の参院法務委員会で採決され、自民、公明、立民、維新の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。国会前では傍聴に駆け付けた人たちが「『共同親権』の採決に抗議します」「本会議で採決しないで」と声をあげました。(関連記事)
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日本共産党の山添拓議員は反対討論で、「本法案の最大の問題は、離婚する父母が合意をしていなくても、裁判所が離婚後『共同親権』を定めうる点にある」と指摘。父母間に真摯(しんし)な合意がないのに、裁判所が親権の共同行使を求めれば、「別居親による干渉や支配を復活、継続する仕掛けとして使われ、子の権利や福祉が損なわれてしまう危険が否定できない」と批判しました。
また、「単独で親権行使できる事由が不明確な点も問題だ」と指摘。「急迫の事情」「日常の行為」という文言が不明確であり、「後に親権行使の適法性が争われるなどの心配から適時適切な意思決定ができず、子の利益を害する恐れがある」と批判しました。
親の資力等が要件となっている支援策や、親の同意等が要件となっている手続きは法務省が同日までに把握しただけでも32項目に上ります。山添氏は「本来、法案審議以前に確認しておくべきことだ。審議すればするほど批判が広がる本法案は、採決の前提を欠いている」と厳しく批判。「『自らと子どもの命と生活が懸かっている。諦めるわけにはいかない』という当事者の声を置き去りに、親子関係と家族のあり方に関する戦後民法の根本に関わる改定を国民的合意なく押し切ることは断固反対だ」と訴えました。