2024年5月16日(木)
国民守る立場に立て
井上氏、PFAS汚染追及
参院内閣委
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日本共産党の井上哲士議員は14日の参院内閣委員会で、汚染が各地に広がっているPFAS(有機フッ素化合物の総称)について食品安全委員会がまとめた食品健康影響評価書案は「国民の命と健康を守る立場に立っていない」と追及しました。
昨年12月に国際がん研究機関(IARC)がPFOAには「発がん性がある」、PFOSは「発がん性がある可能性がある」とする危害評価を出しました。ところが評価書案は、PFASの発がん性は「判断できない」としています。
井上氏が「IARCの判断を否定するのか」とただすと、山本茂貴食品安全委員長は「リスク評価しようとしたが判断できなかった」「否定しているとも否定していないとも言えない」と答弁しました。
井上氏は、欧米各国は2017年ごろから規制を強め、国際的な新しい知見に基づき健康被害を未然に防ぐ立場からさらに厳しい規制をとっていると指摘。また、評価書案が示したPFOS、PFOAの1日体重1キログラムあたりの許容値20ナノグラムを毎日摂取すると、血中濃度は米国学術機関が健康への影響の可能性を指摘する水準を超え十数倍の高濃度となるとして、見直しを求めました。
井上氏が健康被害を未然防止するため、予防原則の考えをとりいれた食品安全行政への転換を求めたのに対し、自見英子食品安全担当相は「安心して食生活を送れるよう、科学的知見に基づく食品の安全確保に取り組んでいく」と答えました。