2024年5月15日(水)
食料・農業・農村基本法改定案
家族農業の重視を
参院農水委で参考人質疑
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参院農林水産委員会は14日、食料・農業・農村基本法改定案について参考人質疑を行いました。
農民運動全国連合会(農民連)の長谷川敏郎会長は、改定案は「食料自給率向上そのものを投げ捨てる」ものだとして反対を表明。基本法の政策対象から外れてきた家族農業について、「農業に不可欠な水と土と森、自然と生態系を守ることができる」と役割を強調。「こうした特性を再評価し、支援することこそ、環境に優しく持続可能な農業経営体を増やしていく道だ」と訴えました。自身も農家として実践する、生態系の機能を活用したアグロエコロジーを紹介。「日本農業再生の道」として提案しました。
日本共産党の紙智子議員は、家族農業や兼業農家が果たしている役割について質問。長谷川氏は「実際の現場はほとんどが兼業農家。無理して専業農家を育てるやり方を変えていくことで地域を守っていくことができる」と強調しました。作山巧明治大学農学部専任教授は「(担い手不足の中で)農業をしていただければありがたいという現実を踏まえた条文にすべき」と指摘しました。
紙氏が農家の所得保障について意見を求めたのに対し、NPO法人中山間地域フォーラムの野中和雄副会長は「政府が直接支払いという形でカバーしていくのが、国際的に見ても妥当ではないか」と応じました。