2024年5月15日(水)
「指示権」の事態曖昧
地方自治法改定案 宮本氏ただす
衆院総務委
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日本共産党の宮本岳志議員は14日の衆院総務委員会で、地方自治法改定案について、国に地方自治体への「指示権」の対象となる「事態」が極めてあいまいで政府からのまともな説明もないと批判し、「審議の前提を欠く」とただしました。
改定案は「大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」に、国が自治体に指示できる仕組みを盛り込みます。
宮本氏は「『その他』にどのような事態が該当するか」と質問。松本剛明総務相は「特定の事態の類型を念頭に置いていない」「具体的にどのような事態が該当するかは、実際に生じた事態の規模や内容等に照らし、該当性が判断される」と答えました。
宮本氏は「何でもありということだ」と批判。あいまいな要件のもとに国の指示権を認めることについて、日本弁護士連合会も会長声明で「憲法の地方自治の本旨に照らし極めて問題」と指摘していると強調しました。
また政府は「個別法で想定されていない事態」の対応のために、法改定が必要だとしています。宮本氏は、集団的自衛権の発動要件である存立危機事態を定めた「事態対処法」で対応しきれない想定外の事態と政府が判断すれば、国が「指示権」を得られる可能性も排除されないのではないかと迫りました。
松本総務相は「対処法で想定される事態は対処法で対応する」と述べ、排除されていないか明言を避けました。宮本氏は「答弁がまともにできない。これでは審議できない」と批判しました。