2024年5月14日(火)
大企業の責任免除批判
岩渕氏 海外発電所廃止に公的資金投入で
参院決算委
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日本共産党の岩渕友議員は8日の参院決算委員会で、大手商社丸紅が大株主であるインドネシアの石炭火力発電所の廃止に日本が巨額の公的資金を投入するのは、大企業の責任を免除するものだと厳しく批判しました。
アジア開発銀行(浅川雅嗣総裁)が立ち上げた「エネルギー移行メカニズム(ETM)」は、石炭火力から再生可能エネルギーへの移行を支援するとして、日本政府も33億円を拠出しています。
石炭火発のインドネシア・チレボン1号機はETM活用で「早期廃止」するとしながら、今後11年間も稼働する計画です。さらに、チレボン2号機が昨年5月に商業運転を開始しています。
岩渕氏は「意思決定の過程に参加する機会はなかった」という現地住民の声を示し、「誰のためのエネルギー移行か」とただしました。鈴木俊一財務相は「日本政府が支援する取り組みで情報公開、市民社会へのエンゲージメント(関与)が適切に行われることは重要だ」として、関係国に働き掛けていきたいと答えました。
岩渕氏は、早期廃止するとして公的資金を投入するというのは、座礁資産化するとの警告を無視して出資を進め、ばく大な利益を得た大企業が負うべき責任を免除するものだと批判し、「生業(なりわい)や健康に影響を受けた住民、環境に対する責任こそ取るべきだ」と追及。鈴木財務相は「早期廃止は公益につながる」と正当化しました。