2024年5月11日(土)
育児・介護休業法改正案
さらなる対象拡充を 倉林議員
参院審議入り
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子育て・介護と仕事の両立を支援する制度の拡充や周知などを盛り込んだ育児・介護休業法改正案が10日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員は「一歩前進だが、不十分だ」と指摘し、さらなる拡充を要求。育児・介護と仕事の両立のために「ジェンダー平等を実現する政策こそ必要だ」と求めました。
改正案は、子の看護休暇制度の取得理由を学級閉鎖や卒園式などの行事にも広げ、対象も現行の小学校就学前から3年生まで広げます。残業免除の対象は現行の3歳までを小学校就学前までに拡充します。
倉林氏は、看護休暇の対象を中学校卒業まで広げ、所得補償制度をつくるよう要求。残業免除の対象も少なくとも小学校6年まで広げるよう求めました。
武見敬三厚生労働相は、残業免除の拡充などについて「利用状況が女性に偏っている現状に鑑みると、制度の拡大により女性のキャリア形成に影響する恐れがある」などと強弁。倉林氏は「女性のキャリア形成を阻んでいるのは正規雇用であれば長時間労働を前提とした日本の働き方そのものだ」と批判しました。
また、非正規雇用労働者が産休・育休を取得しにくい要因の一つになっている“子が1歳6カ月になるまで雇用が継続している”という取得要件の撤廃を求めました。
一方、介護との両立をめぐる改正は支援制度の周知などにとどまります。倉林氏は増加する介護離職などを「防げるのか」と批判。介護休業取得者は1・6%にとどまり、介護休業制度の取得期間も短すぎるとして、期間延長や給付水準の引き上げを迫りました。