2024年5月10日(金)
日常的な監視に懸念
井上氏 経済秘密保護法案を追及
日本共産党の井上哲士議員は9日の参院内閣委員会で、経済秘密保護法案で秘密を扱う資格者を政府が認定する「セキュリティー・クリアランス(SC、適性評価)」制度は、個人情報の収集や第三者への情報提供を日常業務と称している警察による深刻な人権侵害を招く懸念があると指摘しました。
同法案のSC制度では、必要な場合は警察を含む公務所(国や地方の行政機関)に照会できるとしています。一方で、照会先の警察などに対し、SCのために新たな調査を禁じる規定はありません。
井上氏は、高市早苗経済安全保障担当相が、SCの対象となれば「外国政府などによる諜報(ちょうほう)活動の標的となることも考えられる」と答弁していることを挙げ、「SCをきっかけに、情報漏えいの事実を把握するなどの一環として警察の日常的な監視の対象になるのではないか」と迫りました。
高市担当相は、「不審なアプローチへの注意喚起は促すが、警察による監視の対象にするとは考えていない」と述べるのみでした。
井上氏は、法案には「重要経済安保情報の保護以外の目的」での個人情報の利用・提供を制限する規定があるものの、SC以外の目的外利用を禁止していないため警察や公安調査庁が「重要経済安保情報の保護」を口実に、SCで得た個人情報を目的外利用する危険があると批判しました。