2024年5月10日(金)
水俣病救済は国の使命
被害者発言打ち切り問題 山下議員が追及
伊藤環境相が参院委で謝罪
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環境省職員が水俣病の被害者団体との懇談(1日)でマイクを切り、発言を妨げた問題で、伊藤信太郎環境相は9日の参院環境委員会の冒頭、「発言されていた方に対し、大変申し訳ない思いだ」と改めて謝罪しました。団体が要望する懇談の場を改めて設ける考えを示しました。
日本共産党の山下芳生議員は質疑で「“事務方の不手際”という一言ですませていい問題ではない」と批判。その上で、伊藤環境相がこの日、「水俣病はまだ終わっていない」との認識を示したことにふれ、「水俣病に罹患(りかん)しながら、行政に水俣病として認められず苦しんでいる多数の患者の救済こそが環境省の使命だ」と強調。潜在的な水俣病患者は20万人、40万人とも言われるとし、「実態はわかっていない。疫学調査を行っていない国の責任だ」と指摘しました。
「現行法の中でどう救済できるか検討していく」と述べた伊藤環境相に、山下氏は「苦しんでいる患者をどう救済するのか。現行法で救えないのなら新たな立法を省として提案すべきだ」と追及。伊藤環境相は「新たな立法か(現行法)改正か検討が必要だが、しっかり進めていきたい」と述べ、法改正も視野に救済を進めていく考えを示しました。
1日の懇談は「水俣病犠牲者慰霊式」後に被害者団体と伊藤環境相らが行ったもの。団体側の発言が3分の持ち時間を超えたとの理由で、同省職員がマイクの音を一方的に切断したことに被害者らの批判が高まっていました。