2024年5月9日(木)
三菱重工に4兆4800億円
過去10年 軍需産業と癒着深刻
山添氏質問に防衛相が答弁
木原稔防衛相は8日の参院本会議で、防衛省が実施する兵器などの軍事装備品の調達で、三菱重工との契約金の総額が過去10カ年で約4兆4800億円にのぼったことを明らかにしました。日本共産党の山添拓議員の質問への答弁で明らかにしたものです。
防衛省設置法等改定案で政府は、日英伊3カ国が共同開発する次期戦闘機の開発・生産・輸出を推進するための政府間機関(GIGO)への防衛省職員の派遣を可能とすることを盛り込んでいます。
山添氏は、軍需産業と政官の構造的な癒着が深刻だと指摘したうえで、次期戦闘機の開発・生産などで受注がすでに決まっている主な企業の直近10年間の受注総額を質問。木原防衛相は、「IHIが約4900億円、三菱電機は約1兆1000億円だ」と明らかにしました。
さらに山添氏が直近10年間で防衛省・自衛隊から3社にそれぞれ天下りした人数をただしたのに対し、木原防衛相は「三菱重工に26人、IHIに20人、三菱電機に38人」と答弁しました。
山添氏は、三菱重工の自民党の政治資金団体への献金額は10年で3・3億円にのぼるなど、自民党への巨額の献金と天下りの受け入れがその何倍もの受注となって還流していると批判。「利権と癒着の闇を次期戦闘機でいっそう深いものとするなど断じて許されない」と強調しました。